- 著者インタビュー
- 特別支援教育
本書では、今回改訂された特別支援学校(知的障害)の学習指導要領に沿って、国語、算数/数学の各教科の段階(小学部1段階〜高等部2段階)ごとに様々な学習課題を配列しています。まずは各教科の段階ごとの内容を参考に、個々の子どもの発達段階に合わせた学習課題を選択していくとよいでしょう。また、障害のあるお子さんたちは一人一人個性や障害の特性も異なるため、実際に担当されているお子さんの興味・関心に応じて、それぞれの学習課題にアレンジを加えながら、活用していただければと思います。
本書に掲載されている学習課題は、全て教育現場の先生方が実際の授業で活用している学習課題について、改めて紹介していただいたものです。特別支援教育の現場ですぐに活用できる国語、算数/数学の幅広い学習課題の内容が示されています。様々なプリント教材を自作で作成して取り組んだ内容、子どもたちに親しみのある絵本や物語などを利用した内容、タブレット端末やICTを活用した内容など、身近な教材を利用して発達を促すことのできる学習課題が幅広く段階別に網羅されています。読者の皆さんが担当されているお子さんの状況に応じて、適宜活用していただければと思います。
授業づくりでは、子ども自身が自ら主体的に学び、授業や課題を通して「できた」「またやってみたい」という前向きな気持ち(学習に対する意欲)を持ってもらうことが大切です。その意味では、子どもの発達段階に留意しながら、まずは簡易で内容が理解しやすい課題(例えば小学部3段階に位置する子どもでも、2段階の内容から取り上げるなど)から始めていくとよいでしょう。繰り返しの学習を進めながら、少しずつ課題の内容をステップアップしていくことが望まれます。子どもが課題の内容を着実に理解して、楽しく学びながら、自己肯定感が高められるような支援を心がけることが大切です。
本書では、特別支援教育現場の経験が豊富なベテランの先生方に執筆を依頼しています。どの課題も、子どもの見取りが的確に行われていて、実態に合った学習課題が設定されています。こうした長年の現場での経験の蓄積が、よりよいアイデアの発想につながっていくものと思います。また現場での教育経験と合わせて、先生方自身が様々な事柄に対して興味・関心を抱き、日頃から子どもの実態に合わせた教材や課題づくりを意識していくことも大切でしょう(例えば、100円ショップで販売している小物などを、担当する子どもの課題づくりに応用している先生方は少なくありません)。
特別支援学校や特別支援学級で学ぶ子どもたちは発達段階が幅広く、障害の特性や個々のニーズも多岐にわたっています。本書では特別支援教育の実践経験が豊富な先生方に協力を得ながら、国語、算数/数学の授業で活用・応用できる100の学習課題を集約しました。担当しているお子さんの発達段階に合わせて、本書に掲載されている内容を参考にしながら、子どもの実態に合わせて適宜アレンジしたり、子どもの特性に合わせたオリジナルの「学習課題」へと発展させたりしていただければと思います。本書が先生方の日々の授業づくりの参考になれば幸いです。
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