2月19日の産経ニュースによると、子どもの教育の秘訣は家事にあるとのこと。そう述べるのは松永暢史氏。カリスマ家庭教師ともいわれ、いくつもの教育メソッドを開発している。
松永氏の「頭がいい」という定義は、テストの点数が良いということや、成績が良いということではなく、的確な判断力や自己表現の能力があるということ。その能力こそが、社会に通用するものだからだそうだ。
「家事ほど頭を使い、創意工夫に満ちたものはありません。」と、松永氏は言う。掃除をしながら洗濯をし、その間に料理の下ごしらえ。「あ、ゴミも捨てないと。」とやることは果てしない。また、掃除ひとつをとっても、掃除機では吸引できない場所をどうするかや、掃除機をかけた後にハタキをかけるのは順番が逆だと考えたり、創意工夫をする場面は多くある。

ちなみに、こちらも教育メソッドで有名な齋藤孝氏は、著書『子どもに伝えたい<三つの力>』のなかで、三つの力のうちのひとつ、「段取り力」は、料理が鍛えると述べている。料理は、材料の切り方や火を通す順番、調味料を入れるタイミングなど、まさに段取りが問われる作業である。
また、中央教育審議会 「次代を担う自立した青少年の育成に向けて」(答申)でも、家事について触れている。
青少年が社会から期待されている役割を果たすために必要な意欲を「自立への意欲」と称し、その提言のひとつに「家庭での青少年の自立への意欲の基盤を培おう」を挙げている。
「家事を分担させることは、子どもの生活体験を豊かなものにするだけでなく、子どもが保護者からの愛情や励ましを得られる機会にもなる」と、親子のコミュニケーションも深められると考えられる。また、家庭で子どもが家事を分担すると、与えられた役割に対して責任を果たすことや、それぞれの協力で成り立っているという社会の縮図が実感できる。
しかし最近は、「お手伝いよりも習い事や受験勉強」と、家事をさせないケースもあるようだ。昔は、子どもが家の手伝いをするのは当たり前であったし、今でもそのような考え方も多くある。家事は的確な判断力や自己表現の能力がつき、家族のコミュニケーションもとれ、親の家事の負担が減り、かつ費用もかからない教育と言えそうである。自分のサッカーシューズを親に洗わせておいて、「僕はサッカー部です。将来はプロになりたいです。」では、ちょっと虚しい。
- v-net教育相談事務所
http://www.vnet-consul.com/index.htm - 齋藤孝のホームページ
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/
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- 名無しさん
- 2008/3/2 21:19:05
自分も一人暮らししてますが、家事って結構頭使うと思います。家事って生活するうえでは不可欠なものなんで、そこで時間とられたりすると他のことができなくなってしまうんで、常に色々考えてやんなきゃいけないなぁっていつも認識させられます。普段母親がぱっぱっとやってたことって実は当たり前のことじゃないんですよね。 -
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- 名無しさん
- 2008/3/3 13:20:13
最近ではぱっぱとできる母親も減っている?! -
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- 名無しさん
- 2008/3/5 10:59:04
女性のほうが家事をこなす分だけボケにくい、長生きするなんて話も聞きました。男性もこれからは「家族のため」というのではなく、自分自身の老後のために家事を覚える必要があるかもしれませんよね。