きょういくじん会議
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もうすぐ生誕100年―太宰治を偲ぶ
kyoikujin
2008/6/13 掲載
名作を聴く(8)~太宰治

 国語の教科書の「走れメロス」でも有名な小説家・太宰治が、今年で生誕99年、来年で生誕100年を迎えます。実は今日、13日は、太宰治の命日です。さらに19日は太宰治が埋葬された日であり、彼の誕生日でもあります。太宰治を知るために訪れてみたいスポットや、太宰治関連のイベントなどをご紹介します。

太宰治の墓
 太宰治の墓があるのは、東京都三鷹市の禅林寺です。桜桃忌と呼ばれる太宰治の命日になると、ここで毎年供養が行われ、多くの太宰治ファンが訪れます。三鷹市のサイトには、1998年の桜桃忌のようすが書かれていますが、さまざまな年代の、数多くの人が集まってきたことがわかります。
太宰治生誕祭
 太宰が生まれた青森県五所川原市(当時の金木村)では、毎年6月19日に太宰治生誕祭が金木町芦野公園にて開催されています。こちらもはじめは桜桃忌の行事であったのですが、のちに誕生日を記念した行事ということに変わりました。この日には太宰作品の朗読や、太宰文学碑への献花等が催されます。こちらは残念ながら締め切りが過ぎてしまいましたが、今年も県内外から多くのファンが訪れることでしょう。
斜陽館
※開館時間や休館日等は、リンク先でお確かめ下さい。
 国の重要文化財でもある、青森県五所川原市にある、太宰ファンなら一度は行きたい太宰治の記念館ですが、今年4月28日に、入館100万人を達成したそうです。建物自体は、太宰治の父で衆議院議員であった津島源右衛門によって立てられたもの。展示室では、太宰治が着用していたマントや執筆した初版本、手紙など、約600点もの貴重な資料が展示されています。
太宰治文学サロン
※開館時間や休館日等は、リンク先でお確かめ下さい。
 今年3月に東京都三鷹市につくられたばかりの文学サロンです。太宰治は、昭和14年から亡くなる23年まで三鷹市下連雀に住み、主な作品の大半を三鷹で執筆したといわれ、三鷹は太宰治のゆかりの地なのです。この文学サロンの利用は無料で、「人間失格」の直筆原稿などを見ることができます。
走れメロスマラソン
開催日:6月22日(日)
※詳細は上のリンク先(PDF)、または広報ごしょがわらでご確認下さい。
 太宰治の生誕100年を記念して、皆でマラソンをしようというユニークなイベントです。ゲストランナーとして、アトランタ五輪で活躍した千葉真子選手も出場するそう。21.0975kmのハーフマラソン、3kmマラソンと選べ、ハーフマラソンは高校生でない18歳以上(ただし2時間45分以内に完走できる方!)ならどなたでも参加できます。3kmマラソンのほうは、小学生や中学生でも参加できるそうです。

人間失格 (集英社文庫)

 このほか、三鷹市と筑摩書房の共同主催で行われている太宰治賞の第24回授賞式も、17日に行われる予定です。生誕100年となる来年には更に太宰治にまつわる行事が目白押しになるかもしれません。
 昨年夏には集英社文庫の「人間失格」が、デスノートの作画担当である小畑健氏のイラストの表紙でリニューアルしてヒットしたり、今年の3月には作家の井上ひさし率いる「こまつ座」が、太宰治をモチーフにした劇「人間合格」上演するなど、最近、何かと話題が豊富です。太宰治が39歳でこの世を去って60年になりますが、今もなお、人の心に影響を与えつづけていることがうかがえます。

 イベント参加や太宰治ゆかりの地に出向くことがが難しい方も、本に手をのばして、太宰治に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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