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指導要領「解説」道徳編―推進教師の役割が明確に
kyoikujin
2008/7/8 掲載

 1日に文科省より小学校指導要領解説が公表された。道徳編(ZIP)では、改訂で新たに明記された、道徳教育推進教師や情報モラルに関する指導について具体的に示されるなどした。来年度から新指導要領にもとづいて授業が行われる道徳においては、これらの改訂のポイントを含め、解説を熟読し、来年度に向けて備える必要がありそうだ。

道徳教育推進教師の役割が明確化

 今回の改訂で新たに設けられた道徳教育推進教師。その役割や仕事について注目していた先生も多いのではないだろうか。解説では、役割の例として以下のことが明記された。

ア 道徳教育の指導計画の作成に関すること
イ 全教育活動における道徳教育の推進、充実に関すること
ウ 道徳の時間の充実と指導体制に関すること
エ 道徳用教材の整備・充実・活用に関すること
オ 道徳教育の情報提供や情報交換に関すること
カ 授業の公開など家庭や地域社会との連携に関すること
キ 道徳教育の研修の充実に関すること
ク 道徳教育における評価に関すること

など

 指導計画を作成することはもちろん、教材や情報の収集、研修の実施など、その仕事の範囲は広い。校長の方針を理解し、学校全体を引っ張っていくリーダーシップが求められそうだ。ただし、道徳教育は学校全体で取り組むことが求められる。道徳教育推進教師をサポートする協力体制もつくっていかなければならないだろう。

情報モラルの指導の具体例

 新指導要領では、情報モラルに関する指導への留意が示された。解説では、相手の顔が見えないメールが相手に与える影響について考えるといった授業の題材例が示された。新指導要領では、さまざまな魅力的な教材の開発が求められており、情報モラルに関しても情報モラルに関する新聞記事を利用して考えたり、インターネットを実際に使いながら行う授業など、さまざまなアイデアが必要となるだろう。

指導内容の重点化に関して

 今回の解説では、前回、記述がなかった「指導内容の重点化における配慮と工夫」について、一つの節を設けて内容を示している。新指導要領では、各学年における重点化の事項が示されており、それについてより具体的に示された形だ。子どもたちの発達段階に合わせて重点的に指導したいことが明記されたことで、指導計画等にも配慮が必要になるだろう。

 解説では、情報モラルや重点化の項目など新しい事項が追加された。これらについてよく検討し、取り入れることは大切だろう。また、その前提として、まず初めに示されている目標の「豊かな心をもつ」「自己の生き方についての考えを深める」といったことをしっかりと把握し、目の前の子どもたちの実態に合わせた魅力ある授業をしていくことが第一だろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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