6月29日の朝日新聞の記事によれば、県立松山女子高校書道部恒例の、書のパフォーマンスが行われたということ。書といっても、その内容は大塚愛やコブクロの曲に合わせてその歌詞を揮毫するなど、若々しい感性にあふれたものでした。今、「書道」が静かにブームの兆しを見せています。
書の歴史を振り返ると
そもそも、漢字の書体は中国の甲骨文字に始まり、始皇帝が整理した小篆などを経て、やがて行書や草書、楷書が生まれました。特に西暦350年ごろに活躍した王義之は、近代書道の体系を作り上げた人物として知られています。日本には飛鳥時代に、仏教とともに漢字が渡来し、以後漢字から平仮名・片仮名が生まれたことは周知のとおりです。
書道界のプリンス、武田兄弟
古めかしいものであった書道のイメージが見直されることになったきっかけの一つは、若手書道家・武田双雲氏の活躍が挙げられるでしょう。B'zなどのミュージシャンや、華道家仮屋崎省吾氏とのジャンルを超えたコラボレーションは、各種のメディアでも取り上げられ、注目を集めています。また、弟の武田双龍氏も、同じく書道家として教育テレビに出演するなどで活躍し、両氏の書道教室には門下生希望者が多く集まっているそうです。
知る人ぞ知る名作書道マンガも
小学館から出ている「とめはねっ!」というマンガは、書道を題材としたというマンガ。高校の書道部に入部した帰国子女の男子生徒が書道に熱中していく様子を描き、現在単行本が3巻まで出版されています。著者は、前述の松山女子高校の揮毫パフォーマンスも取材しており、彼女らが書いた書もマンガの中で使用されています。どうも書道の面白さがわからない…という人も、このマンガを読めば、書道部員たちの生き生きとした日々を追いながら、書道の楽しさが理解できるかもしれません。
書道嫌いなお子さんも…
書道といえば、墨をすったり硯を洗ったり、面倒で嫌いなお子さんも多いと思いますが、書道教育特区に認定された静岡県伊東市の取り組みに見られるように、書道は伝統文化を学ぶと共に、礼儀作法や集中力も身につけられるよさがあります。
このように、高校生や若手書道家のパフォーマンスやマンガのような新しい表現をきっかけとして、古来からの伝統文化を学ぶ子どもたちが増えていくかもしれません。
おりしも、江戸東京博物館では15日から「北京故宮 書の名宝展」が催されます。「書聖」と崇められている王羲之の「蘭亭序」など、本場中国の国宝を見られるまたとない機会。両国まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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- 名無しさん
- 2008/7/10 22:38:22
ヤングサンデー休刊だそうだけどとめはねは終わらないでほしいなあ。