きょういくじん会議
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わかりやすく、面白く―ゲームで深める環境教育
kyoikujin
2009/5/10 掲載
大人の科学 地球環境分析キット

 4月29日の読売新聞の記事で、ゲーム形式で環境について学べる教材が紹介されています。「bidi」(ビディ)というカードゲームで、人間の生活や活動と自然が密接に関わっていることを理解し、生物が絶滅する要因などを、ゲームを進めながら学べるようになるとのこと。実際に使用した子どもたちの使い勝手、反応も上々のようです。

 以前にも、子どもたちが放課後なども健康・安全に過ごせる環境を作ろうとする働きかけ、「放課後子どもプラン」についてご紹介しましたが、そのプランの一環として環境省は「21世紀子ども放課後 環境教育プロジェクト」(ASEEP)というプロジェクトを推進しています。冒頭の記事の「bidi」は「ASEEP」で使用される「ASEEP21」という教材キットに含まれるゲームのひとつ。ほかに「ASEEP21」には、地球温暖化防止について学べる「低酸素バスケット」、水の大切さについて学べる「節水大作戦」、環境に優しい食品などを選択する事を学べる「エコチョイス」の3つのゲームがあります。

 環境省では「ASEEP21」の特長として、

◆環境に配慮した行動に結びつく設計
◆指導の手順や要領が明確に示されており、現場で使いやすい
◆1年生〜6年生までの幅広い学年に対応可能
◆途中参加・途中退席、単発での参加に対応可能

の4つを環境省からのお知らせ(PDF)の中で挙げています。中でも、手順などが明確で現場で使いやすいというのは、教材として広く受け入れられていくにあたって大切ではないでしょうか。「21世紀子ども放課後環境教育プロジェクト」実施要項(PDF)を見てみると、現在は実施するモデル教室を自治体単位で募集して、専門のカウンセラーによってゲームの進行は管理・運営されてと、その効果を検証するためもあってか、実際に取り組むまでは色々と手順を踏む必要があります。しかし、教材としての効果が認知され、先生方が正しい指導方法を学ぶ仕組みができれば、より手軽に全国の学校で取り組むことができるようになるかもしれません。
 ちなみにカードゲームの「bidi」は、作成元である島津製作所のホームページから無料で手に入れることができます。プロのカウンセラー同様にとはいかないかもしれませんが、実際にどのようなものか興味がある、という方はいかがでしょうか。

 環境教育を意識した教材は、現在でも様々な企業や研究機関から出されていますが、その多くは案内冊子やDVDなどのようです。そうした従来の教材とあわせ、「ASEEP21」のような児童参加型の教材が組み合わさることで、より環境に対する認識を深めていくことができるのか。注目していきたいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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