きょういくじん会議
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意外とオモシロい MEXT KIDS CITY
kyoikujin
2010/2/5 掲載
平成20年度 文部科学白書

 文部科学省が運営するサイト「文部科学省キッズシティ」をご存知ですか?
 「キッズシティ」は遊びながら楽しく文部科学省の活動を学ぶことができる子供向けサイト。以前の記事ではYoutubeの文部科学省チャンネルをご紹介したこともありましたが、近頃さかんに広報活動を行っている文科省のメディア戦略?の一端として位置づけられそうです。

 「キッズシティ」の名の通り、サイトのトップは広い町並みの中に、学校や劇場、古墳、南極観測船からHUAロケットまでが広がっています。それぞれの中身を覗いてみると、とてもよくできていて、大人でもつい引き込まれてしまうページが!

オモシロいページ

 例えば、「学校」の運動場を覗いてみると…、ぐるんぐるんと大車輪を続ける野末実さん(74歳)の動画「スーパーじいちゃんの逆上がり教室」が見られます。
 「研究所」の中で「地球シミュレータ」を覗くと、1950年から2100年までの地球温暖化のシミュレーション映像が見られるのも衝撃的。
 また、「町でお辞儀をして挨拶している人」をクリックすると、「国語施策の展開、敬語の指針」という説明や、敬語・外来語などの言葉クイズが少し楽しめるなど、なかなか趣向を凝らしています。

 しかし一方、本当に子ども向けなのかと思える難しそうな内容も。

ほんとに子ども向け?というページ

 例えば、小学校の教室で「時間割表」から「国語」をクリックすると、「言葉を通じて的確に理解する能力、論理的に思考し表現する能力、お互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成します。」という説明が。これは平成20年の中教審答申・国語の「改善の基本方針」の文言とほぼ同一の内容ですので、大人向けと同等です。
 ちなみにこの「国語」のコンテンツ中には、アニメ「ルパン3世」の峯不二子の声優:増山江威子さんによる古典の朗読が聞けたりもするという豪華さも感じられます。

 また「高速増殖原型炉もんじゅ」を覗いてみると、「原子力未来への挑戦」という動画が見られます。「ウランに中性子を衝突させて起こる核分裂を、エネルギーに利用して作る原子力発電…」というナレーションから始まり、ウラン238がプルトニウム239に変わる過程や高速増殖炉の説明に至ると、キッズにはちょっと手が出ないように思いました。

 ほとんどのコンテンツが振り仮名なしですので、キッズシティというものの、常用漢字を習い終わった中学生以上が対象なのかもしれません。適宜このサイトから、別の文科省運営サイト(「子どもの体力向上」ホームページなど)にもリンクが貼られていますので、情報を効果的に発信しようという心意気は感じます。

 文科省の行政活動の一環である「キッズシティ」。私たちの税金を無駄にしないためにも、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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