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「ブルームーン」を見ましたか? 言葉と宇宙に思いをはせて
kyoikujin oec
2010/2/2 掲載
月の本―perfect guide to the MOON

 1月30日の土曜日に満月を見た方、いらっしゃったと思います。実はこの満月は、1月で2回目の満月。俗に「ブルームーン」と呼ばれているものだったことはご存知だったでしょうか。

ブルームーンとは?

 月はほぼ1ヶ月で満ち欠けを繰り返すため、通常は満月は一月に1回です。ところが暦の関係で2回目の満月が起こるとき、その満月をブルームーンと称するそうです。
 この言葉、なぜ2回目の満月を指すようになったのでしょうか。国立天文台の天文ニュースでは、天文の正式な用語ではなく、定義がはっきりしないとされています。広辞苑をはじめ、手元の国語辞書にも記述がないことから、日本での歴史は古くないと思われます。
 人間が定めた暦という基準の中でつけられた名称なので、当然ながら、天文学的な意味もないそうですが、年に1回あるかないかという点では、めずらしいことは確か。
 2010年は特に2回もブルームーンが起こるという稀な年で、1月だけではなく、3月にも2回の満月を見ることができます。(1日と30日。)

「月」に関係することばあれこれ

 この「ブルームーン」という言葉、英語ではonce in a blue moonという成句があり、「めったにない」という意味を表すそうです。(もっとも、ここでの「blue moon」は、文字通り青色をした月とのことですが…。)
 日本語には「青い月」という表現はありませんが、月にまつわる言葉は色々あります。
 ちょっとした豆知識をいくつかご紹介すると、たとえば1日のことを「ついたち」といいますが、この語源は「月立ち」だと言われており、太陰暦のころの名残を感じさせます。
 また、平凡なことを「月並み」といったのは正岡子規。もともと「月並み」とは「一月に一度」という意味で、江戸時代に「月並み」の句会などが催されていたのですが、俳句の革新を目指した子規がそれらを否定したことによって、ネガティブな言葉となってしまいました。

いま、月に最も近い日本人

 ところで宇宙といえば、2010年2月現在、日本人の野口聡一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに長期滞在中です。野口さんのtwitterではリアルタイムにその活躍をうかがい知ることができ、時折宇宙からの写真も投稿され、見る人に驚きと感動を与えています。野口さんは宇宙から撮影した満月の写真も投稿しています。

 今回は「ブルームーン」という言葉を端緒に、色々なことに思いをはせてみました。このように、ひとつの言葉をきっかけにして、さまざまに「学び」を広げる習慣をつけてみると、さらに世界が広がってゆくかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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