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動物園でも冬眠できるの? 「冬眠展示」
kyoikujin
2010/2/3 掲載
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 東京都の上野にある上野動物園では、2006年に日本ではじめて実現した、ツキノワグマの「冬眠展示」が、今年も行われています。

 この冬眠展示は、熊が森で冬眠するときと同じように、夏の終わり頃からえさを増やし、力を蓄えさせ、11月ぐらいから室内に移し、室温や明るさを自在に制御できる専用施設で冬眠状態へと誘導するもの。動物本来の姿を見せる「行動展示」の新たな形として、注目されています。
 上野動物園では、2006年から設置された「クマたちの丘」にある冬眠ブースで、テレビモニタやのぞき穴を使って冬眠している熊の様子を観察することができます(クマたちの丘では他にヤマネ・アオダイショウも展示)。この様子は、東京ズーネットBBで動画で見ることもできます。
 この取り組みは「将来の繁殖」や、「冬眠のメカニズム」などを解明する研究もかねているとのことですが、熊などの冬眠動物は、冬眠しても筋肉の衰えが非常に少ないこともわかっており、寝たきり医療への応用など、学術的にも注目されているようです。

 上野動物園以外に、冬眠展示を行っているところとして長野県の清里にあるやまねミュージアムがあります。こちらでは、天然記念物に指定されているヤマネの姿を、冬季限定で公開。丸まって眠る冬眠中の姿を見ることができます。また、同じ長野県佐久市の平尾山公園にある昆虫体験学習館では、現在特別企画展として、「生きるための昆虫の知恵〜生きてます?死んでます?〜」を開催中。こちらは、寒く乾燥が厳しい冬を、昆虫が卵や幼虫などの形で冬眠して乗り切ることを、パネルや標本で紹介しています(擬態など生き残る知恵についても紹介)。

 動物園や体験学習館を活用した教育プログラムも多く開発されていますが、普段あまり見ることのできない姿を見ることも、子どもが興味を持つよいきっかけになるかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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