きょういくじん会議
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日本の夏の風物詩、花火をもっと楽しもう!
kyoikujin
2010/7/22 掲載
花火/夜空に咲く光のファンタジー

 今年も、夏の風物詩、花火大会の季節になりましたね。
 日本の文化とも思われる花火、実は海外生まれだということをご存知でしょうか? 「花火と言えば、夏!」というのが日本では一般的だと思いますが、海外ではちょっと違った「花火と言えば、○○」があるようです。

花火の歴史

 花火の起源は遠くさかのぼり、6〜10世紀ごろ、火薬を使用し始めた中国とされています。爆竹が姿を変えていき、はじめはロケット花火のようなもので、敵への威嚇や敵陣に火事を起こすための武器として使用されていたようです。
 その後、13世紀ごろにヨーロッパへ伝わり、主にイタリアで王侯貴族が権力を誇示するものとして、観賞用に煙に色をつけるなどの工夫が施され、開発が盛んに行われました。17世紀にはポーランド、スウェーデン、デンマークなどで花火専門の学校が設立され、技術は飛躍的に進歩していったようです。
 日本に花火が伝わったのは、意外にも16世紀、鉄砲が伝来した後でした。江戸時代に入って戦が減ったのを機に、火薬売りを商売にしてきた店で花火を扱うようになり、庶民にも人気の「おもちゃ花火」が多く生産されたようです。徳川吉宗の時代、飢餓やコレラに見舞われた際に、慰霊と悪霊退散を祈願して、両国大川(現在の隅田川)で水神祭りが開かれた際に、大花火を打ち上げさせたのが、隅田川花火大会の起源と言われています。

海外の花火事情

 海外では、「夏の風物詩」というより、祝賀や勝利の象徴とされることが一般的なようです。
 まず花火起源の地・中国で花火と言えば、お正月、豪快に発破される爆竹ではないでしょうか。
 ヨーロッパ最大の花火大会は、フランス・パリ郊外のセーヌ河沿いで7月14日の革命記念日にちなんで打ち上げられるLe Grand Feu de Saint Cloud。昼間は軍事パレードや空軍によるアクロバット飛行などが行われ、締めくくりとなる花火大会の最後は3色のトリコロールカラーの花火で盛大に、というのが恒例のようです。
 そして、米国で花火大会と言えば、まず思い浮かべるのが、日本より一足早い7月4日の独立記念日。その日は、毎年全国各地で大小様々な花火大会が催され、昼間から広場ではフリーマーケットや音楽のライブが行われ、お祭り気分一色になります。大晦日のカウントダウンでも花火はお決まりのイベントで、寒い中にもかかわらず、打ち上げ会場には多くの人が集まり、盛大な盛り上がりを見せます。

日本の花火技術

 このように、花火は各国でいろいろな想いや意味を乗せて打ち上げられ、人々の目を楽しませてくれていますが、海外の花火は、平面状で1色のものがほとんどで、丸く広がり色が様々に変化する日本の花火の技術は海外からも一目おかれ、その技術を逆輸入する国も増えているそうです。

 夏休み、線香花火を作る体験教室なども各地で開かれているようです。火の元にはお気をつけて、花火のいろいろな楽しみ方で、ステキな思い出づくりができるとよいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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