- きょういくじん会議

いよいよ夏休み。楽しい行事に追われ、気が付けば8月31日…「どうしよう、宿題が終わらない!!」―こんな状況に身に覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では珍しい光景なのかもしれません。ベネッセ教育開発センターの調査(PDF)によると、小学生の4割以上が夏休みの宿題を計画的に行い、最後にまとめて行うのは1割だそうです。最近の子どもは、総合的な学習の時間などで、計画的な学習や調べ学習に慣れているのかもしれませんね。
苦い思い出、自由研究
一方、大人はというと、「最終日ギリギリまでかかった」という人が半数以上というアンケート結果もあり、最後まで苦しんだ思い出が多いようです。中でも苦しめられた代表格といえば圧倒的に自由研究のよう。かくいう私も、自由研究が終わらず父親に助けを求めたところ、一人でやったとは思えない壮大な研究になってしまったという苦い思い出があります。
宿題をきっかけに
今の大人より計画的とはいえ、子どもの宿題にどこまで関わるかは保護者の方にとっても悩みどころなのではないでしょうか。前述の調査結果では、子どもの宿題への協力として、「『宿題をしなさい』と声をかけた」(70.0%)、「ドリルのまるつけ」(52.7%)、次いで「図書館や博物館に連れて行った」(30.4%)となっています。だらだらしてしまいがちな夏休みだからこそ、保護者の方の声かけはペースメーカーとしての大きな役割を果たします。ただし厳しく言いすぎてしまうと、逆にやる気を阻害してしまうこともあるため難しいところです。
宿題を早く終わらせることももちろん重要ですが、せっかくの夏休み、宿題を生かして子どもの興味を広げる機会にしてみてはいかがでしょうか。大人も苦しんだ自由研究は、テーマを決めるためにと言って特別な場所に連れて行かなくとも、日常の中にテーマの種は転がっています。子どもの好きなスポーツやテレビ、はたまた日常での手伝いなど、子どもが関心を持っているものを共有しながら、うまく子どもの「なぜ?」を引き出せるような声かけをしたいものです。以前にもご紹介した家読の取り組みなどは、同じ本に対しても様々な見方があることを知ることができるでしょう。感想を述べることが苦手な子どもには、「お母さん・お父さんはこう思ったけれど、あなたはそれに賛成・反対?」などと投げ掛けることで、読書感想文の取り掛かりとなるかもしれません。
夏休みは子どもにとって大きな成長の機会。宿題をきっかけに、子どもの興味ややる気をうまく引き出せる夏休みにしたいものですね。