きょういくじん会議
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スポーツ選手に学ぶ!? 外国語学習の秘訣
kyoikujin
2010/9/9 掲載
知らなければ話にならない英語必須スポーツイディオム

 世界各地で活躍する日本のスポーツ選手。そんな世界を相手にする選手たちにとって、今や英語をはじめとする外国語の習得は欠かせないものと言えるでしょう。今回は、そんなスポーツ選手と外国語の関係について見てみることにします。

英語ができず出場停止!?

 まずはゴルフ。英米が本場であるだけに、大会では英語でやりとりするのが当然のようで、先日の全米女子オープンでは英語のミスから大会自体を棄権させられそうになった有村智恵選手の例などもあります。

 2008年には、全米女子プロゴルフ協会が大会参加者に対して、「英語の口語テストを行い、基準に達しない選手は出場停止とする」と発表し、大きな波紋を呼びました。結局この案は反発を浴び撤廃されたものの、英語がスタンダードであるという流れは変わらないようで、宮里藍選手などは進んで英語でインタビューを受けています。英語で堂々と質問に答える彼女の姿はご覧になったことのある方も多いのではないのでしょうか。彼女によれば、他の選手と一緒にラウンドを回る際にコミュニケーションをとるにも英語は欠かせないそうで、英語圏出身の選手に積極的に話しかけたり、家では英語のアニメを流すなどして英語学習に取り組んだそうです。

コーチとの意思疎通

 女子フィギュアでは、浅田真央選手、安藤美姫選手なども、海外メディアからのインタビューに英語で受け答えする様子が見られます。またコーチが外国人の場合は、彼らとの意思疎通は英語となることが多く、この2人もそれぞれのコーチとは英語でやりとりをするそうです。卓球の福原愛選手は、ネイティブ並みの中国語を話すと言われていますが、中国人コーチから指導を受ける中で必然的に中国語を覚えていったそうです。

伝えようとする姿勢

 最後にサッカー。海外のクラブに移籍する際に、通訳を介さずに英語や移籍先の国の言語で入団会見をする光景も珍しくありません。移籍先で言葉が上手く通じないためにチームメイトから孤立してしまい、帰国する選手の話なども耳にすることが多く、それだけ、その国の言語をマスターすることは必須と言えるのでしょう。

 先のワールドカップで活躍した日本代表ゴールキーパーの川島永嗣選手は、海外移籍前から忙しい合間を縫って語学学校に通い、英語・イタリア語・ポルトガル語を勉強していたのだとか。また有名な話では、元日本代表の中田英寿選手は、「将来イタリアでプレーするには必要だ」と考え、なんと高校生の頃からイタリア語の勉強をしていたそうです。外国語が堪能だと言われるのも、才能や特殊な環境によるものだけでなく、こうした努力あってこそなのですね。

 ここに挙げた選手に共通するのが、外国語学習に対する意識の高さ。その分野で成功するには○○語が欠かせない、ということを強く認識しているからこそ、意識を高く持ち学習に取り組むことができるのでしょう。何より、多少文法や発音が間違っていても、堂々とインタビューに答える彼らの姿には、「自身の考えを伝えたい」という強い想いを感じます。改めて、言語はコミュニケーションの手段なのだと思い知らされます。

 将来の夢がスポーツ選手ではなくても、自分と年齢の近い選手が外国語で懸命にコミュニケーションを図ろうとする姿は、子どもの外国語学習において大きなモチベーションとなるのではないでしょうか。スポーツで「○○選手のようになりたい!」と思って練習に励むように、外国語学習においても、スポーツ選手がお手本となる日も近いかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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