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説明文の読み取りを一段階知的なものに変えるには?
これまでの国語授業
表を提示し、埋めさせる
説明文の読み取りの際、表を使って説明内容を整理していく活動は、1年生から6年生まで行われます。この学習活動自体は、説明内容を理解する上で有効です。学習指導要領の記述でいえば「構造と内容の把握」にあたるでしょう。ここでしっかりと説明内容を押さえて、子ども達の頭の中がスッキリした状態でないと、より高度なこと(筆者の意図や考え)を読み取ったり話し合ったりするのは難しくなります。地味な学習活動ではありますが、重要です。
また子ども達も、説明内容を表に整理するという一見単純な活動を嫌いではありません。すべきことが明確であり、比較的誰でも取り組めるからだと私は考えています。
このような理由から、多くの教科書の「学習の手引き」にあたるものには、説明文の内容を表に整理するという学習活動が掲げられているのだと思います。ここでは、この“表に整理する”という学習活動への一工夫をご紹介します。
それは、表を子ども達に提示してそれを埋めさせるのではなく、表自体を子ども達に考えさせることです。
国語科指導技術・ニューノーマル
表そのものを子ども自身に作成させる
1年生や年度初めなどは、教師から表を子ども達に提示して、空欄を埋めさせる形で表を完成させてもよいでしょう。しかし、高学年や年度終わりに同様のことをしていては、進歩が見られません。子ども達も飽きてきて「また表⁉」となるかもしれません。
そこで、表自体を考えさせるのです。
「何列の表にするか」を考えることで、子ども達は「この説明文には例がいくつ出されているか」を自然と考えることになります。
「何段の表にするか」を考えることで、「例についていくつの観点から説明をしているか」を考えることになります。
また、項目名を考えることで説明内容の具体と抽象を考えることになります。
これらは、何列か、何段か、項目名まですべて教師が入れて「お膳立て」した表を埋めるときと比べ、かなり負荷の増した学習活動といえます。ですが、だからこそ子ども達も燃えるのです。高学年はもちろん、低中学年でも年度の後半にはぜひ挑戦してみてください。
ここがポイント!
- 自立した学び手を育てる一工夫をしよう!
説明の工夫を読み取るには?
主に高学年の説明文の学習では、筆者の説明の工夫を読み取るという学習活動を行うことが多くなってきます。しかし、「説明の工夫」といっても、説明文は工夫で溢れており、どれが「説明の工夫」でどれがそうでないのかは、子どもにとって見分けがつきにくくなっているのも事実です。ですから、ただ単に「説明の工夫を見つけましょう。」と投げかけるだけでは、「工夫が多すぎてどれを書いたらよいのか分からない」と困ってしまう子もいるでしょう。
反対に、「説明の工夫」と聞いただけでは、全く見つけられない子もいるでしょう。そのような子達は、説明文を漠然と読み流しており、眼前の「説明の工夫」に気づくことができていません。
これまでの国語授業
「説明の工夫を見つけましょう。」と問う
両者に必要なのは、「説明の工夫」を判断する基準です。それを示してあげると、スムーズに見つけることができます。
そこで、既習の説明文を活用して、それらと比較させるようにします。
具体的には、「説明の工夫を見つけましょう。普通の説明文では〇〇と書かれていることが多いのに、この説明文では違って××と書かれている、というものを見つけてみましょう。」と指示します。
そうすることで、今まで学習した説明文と今回読んでいる説明文とを比較しつつ、「説明の工夫」を見つけることができます。
説明の工夫が多すぎてどれを取り上げたらよいか迷っていた子にとっては、「これは今までの説明文では使われていなかった工夫だな」などと取り上げるべき工夫を見出しやすくなりますし、全く工夫に気づけなかった子にとっては、「普通はこういう説明の仕方をしないな。だから工夫と言えるんだな」と工夫を見つけやすくなります。
また、「普通なら……」と今までの説明文と比較して説明の工夫を見つけるだけでなく、その効果についても自分で考えて書かせると、より効果的です。例えば「呼びかけ」なら、「読者に興味を持ってもらえる」などと書くことです。
この学習活動は、「普通なら……」と今まで学習した説明文と頭の中で比較しながら行うので、説明文の既習が積み重なってきている中学年〜高学年向きといえるでしょう。しかし、教師の指導次第では2年生程度でも十分行えると思います。ある意味、それまでの説明文指導の成果が試される指導法です。
国語科指導技術・ニューノーマル
「普通は……」を考えさせる
ここがポイント!
- これまでの学びの試金石ともいえる指導。教師自身の振り返りにもピッタリ!