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流出した後に待ちかまえるものは―個人情報流出問題
kyoikujin
2007/7/2 掲載

この画像はイメージです 6月30日の朝日新聞の記事によると、愛知県の県立高校に勤務する教諭の自宅パソコンから、生徒名簿など、延べ1万4千人分の個人情報がネット上に流出していたことがわかったとのこと。
 2005年4月、個人情報保護法が全面施行されて以来、「個人情報の保護が重要なことは分かるけれど、どのように重要なのかよく分からない」という人も少なくないのでは。

 内閣府の個人情報の保護に関する基本方針(PDF)では、同法制定の背景として、個人情報の誤った取り扱いによって、個人に取り返しのつかない被害を及ぼすおそれがあること、個人情報流出による事件が社会問題化したこと、企業の個人情報保護の取り組みへの要請が高まったことなどを説明している。

 コンピュータやネットワークによる高度の情報化は、我々の社会に多大な利益をもたらす点で歓迎される一方、残念ながら、犯罪者にとっても利便を提供している点を指摘せざるをえない。

 蓄積された個人情報には、氏名や住所だけでなく、銀行の口座番号や、クレジットカード番号、家族構成、学歴や病歴、購入商品の嗜好など、用途により、あらゆる行動の履歴が含まれる場合がある。このような重要な情報を、コンピュータウィルスなど悪意のあるソフトウェアが流出させ、インターネットを介した匿名ファイル交換技術の広まりで、誰もが簡単に大量に入手できる状況が生まれてしまったと言える。

 犯罪者がそのような個人情報を入手すれば、ネットショップで商品を検索するかのように、もくろんだ手口に該当する、特定の弱みを持つ人を集中的に狙うことが原理的に可能と言える。そして、犯罪の手口は注意喚起のために公開されることも多く、模倣犯が後を絶たないことは、「振り込め詐欺」の広まりからも周知のことだろう。また、先月、警視庁による捜査情報の流出が発覚したが、少年犯罪の実名の流出や、犯罪情報提供者への報復など、二次犯罪の危険が指摘されている。

 このような状況に対して、警察が取り締まりを強化するのは当然のことであるが、同時に、個人情報を流出させることが大変危険であることを一人一人が認識して取り組むことが、新しい被害者を生まないためにも大切なことではないだろうか。
 昨今の急激な情報化に、利用者の認識が追い付かないことが生み出しているとも言えるこの問題に、情報モラル教育が改善の一助となることを期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/7/3 18:33:47
    流出のニュースはよく耳にしますが、その後、関係者に補償とかしてるんですかね?
    謝って終わり…ではないですよね。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/7/3 20:50:07
    初期の頃ならまだわかるけど、これだけ報道されているのに、なんで自衛しないんだろ。仕事用のマシンと遊び用のマシンを分けるなりいくらでも対策できるじゃん。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/7/5 6:15:56
    ・ファイル交換ソフトを使っていること。
    ・ウイルス対策をしていない、あるいは更新されていないこと。
    確かに自衛策をしていないことになりますね。
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