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教員は魅力ない職業か―進む教育学部離れ
kyoikujin
2008/1/21 掲載

 今年も19日、20日の2日間で大学入試センター試験が実施され、本格的な受験シーズンが始まった。今年は国公私立621大学、公私立156短大が参加し過去最多になったとのことで、大学の募集意欲の高さが見てとれる。その一方で、大学受験について学校、学部間で志願者数の差が拡大しているようで、教育学部も厳しい状況にあるようだ。

 文部科学省が公表している国公立大学学部別志願状況(PDF)で18年度19年度の志願者数を比較してみると、総志願者数が3.3%の減少に留まっているのに対し、教育学部の志願者数は11%も減少している。

国公立大学入学者選抜確定志願者数
18年度 19年度 前年比
総志願者数 505,370 488,527 96.7%
教育学部 56,187 50,020 89.0%

 また、日本私立学校振興・共済事業団が公表している私立大学・短期大学等入学志願動向で私学の状況を比較してみると、総志願者数が2.9%の増加しているのに対し、教育学部の志願者数は0.4%の増加でほぼ横ばい。18年度から19年度にかけては、集計している教育学部の数が11学部から15学部へ増えており、1人が受験できる範囲が広がっている影響を考慮すれば、決して楽観視できる状況でないことがわかる。

私立大学・短期大学等入学志願動向
18年度 19年度 前年比
総志願者数 2,936,460 3,022,983 102.9%
教育学部 45,579 45,766 100.4%

 それでは、今年度の動向はどうなるのかというと、19日の朝日新聞で大手予備校河合塾の見通しが報じられており、教育学系(教員養成課程)は今年も引き続き人気を落とすと見られているようだ。

 モンスターペアレントへの対応やネットを介し深刻化するいじめの問題など、多様化する教師の仕事がマスコミを通じて頻繁に報じられるほか、指導力不足教員への対応や教員免許更新制の導入など、人材育成のために矢継ぎ早に導入された新しい制度が、学生には、さらに厳しくなる職場環境を想像させてしまっていることも考えられる。

 日本の教育力の底上げを考える上で、教員を目指す若者を増やす努力は欠かせない。現職教員への対応を増やすだけでなく、教職が魅力ある職業であることを、広く発信していく取り組みの必要性は確実に増しているようだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/1/22 14:41:51
    給与アップすると、志望も増えるかな…
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/1/23 13:42:30
    昨今の報道の影響も大きいと思いますが、教職は子どもにとっては一番身近な職業なので、子どもから見ても憧れられない先生が多くなってしまったということもあるかもしれません。
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