28日の産経新聞の記事によると、「特別免許状」制度の活用が5年間で約8倍に増加していることがわかったとのこと。「特別免許状」制度は教員免許を持たないが、担当する教科に関して専門的な知識経験や技能を持った社会人を教員として正規採用することができる制度だが、つい数年前まで、その活用はまったく進んでいなかった。
特別免許状は昭和63年の教育職員免許法の改正により制度化されたが、学士の学位を必要とすることや、この制度で授与された免許が10年間の有効期限付きだったことなどが理由で、平成14年度までの授与件数は平成元年と6年を除いて一桁台が続いていた。
しかし、平成14年に中央教育審議会が答申した今後の教員免許制度の在り方についてによって状況が一変する。この中で、特別免許状の活用促進策として、学士の学位を求めないことや、有効期限の撤廃、社会人特別選考の実施促進など、制度の活用を妨げていた要因を取り除く具体的な方策が答申された。
制度改革の効果もあり、平成15年度には授与件数が前年度の約8倍の47件と急増。同記事によると、平成19年4月時点の累計は延べ237件に達しているという。教員免許更新制で、再度10年の有効期限を設けられることになったが、現在公表されている制度の内容を見る限り、再び過去の低水準に戻るとは考えにくい。
複雑化している学校現場に求められるニーズに応えていくために、多様な分野から登用した人材を有効活用することは不可欠であろう。ただし、学校教育においては、子どもへの対応や指導方法などで専門的な知識も求められる。採用した社会人教員が個々の能力を充分に発揮できるための支援体制づくりも、今後さらに進められていくことを期待したい。
- 特別免許状の授与件数(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/katsuyou/04041302.htm
それもどうかなと思うのですが…。