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保護者と教育委員会に意識のズレ―規制改革会議調査
kyoikujin
2009/6/8 掲載

 内閣府に設置されている規制改革会議は5日、教育委員会と保護者への意識調査の結果を公表した。全国学力テストの結果公表や学校選択制の是非について全く反対の結果になったほか、その他の項目についても数字に大きな開きが見られ、教育委員会と保護者との間に広がるギャップの深さが浮き彫りになった。

 全国学力テストの結果公表について、「公表すべき」と回答したのは市区教育委員会がわずか3.1%に対し、保護者は67.3%に達した。一方で、「公表すべきではない」と回答したのは、市区教育委員会が86.7%にのぼったのに対し、保護者は10.5%に留まり、真っ向から意見が対立した。教育委員会側の反対の理由としては「学校間の序列化や過度な競争に繋がるから」、「指導方法の改善に役立てるためで、公表しなくてもできるから」が多く、保護者側は「学力を向上させるのは、まずは学校(教員)の責務だから」、「学校毎の結果は学校選択のための基本情報のひとつだから」という理由が多かった。また、都道府県や政令指定都市の教育委員会が「公表すべきではない」と回答したのは65.1%と市区教育委員会よりも20%以上低い結果となり、教育委員会のあいだでも意識の違いが見られた。これは、小中学校を主に運営する市町村と高校を主に運営する都道府県との違いによるものとも考えられる。

 学校選択制の導入状況については、小中ともに15%以下と進んでいない中で、検討中と答えた教育委員会は5%程度に留まった。一方で導入に賛成している保護者は55.4%と半数を超えた。そのほか、教員評価制度の実施や人事評価への反映についても保護者の方がより積極的な回答となり、教育に見える形での説明責任や結果の反映を望む保護者の意識が目立つ結果となった。

 調査は全国783の教育委員会と小学校から高校までの子をもつ2,200人の保護者を対象に実施された。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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