
- とっておき算数授業
- 算数・数学
本時のねらい
情報不足の二次元表を完成させる活動を通して、二次元表のしくみの理解を深める。
板書
板書のとっておきポイント
- 情報不足の表を提示し、空欄を埋めていくという見通しをもたせる。
- 必要に応じて、子どもに黒板を使って表をかかせるようにした。
- 授業のポイント時におけるペアトークの際には、「あと1個分かれば全部分かる」などと、板書したことについて話させるようにした。
授業の流れ
1表の合計欄を埋めさせる(10分)
先日みんなにとったアンケート結果を表にしました。
上に示した表のように、3か所のみ数値を入れておく。
先生、全部埋まっていないよ。
全部埋まっていないと困る?
困るよ!
いや、この時点であと2つ分かるよ!
合計のところの2つは計算で出せる。
合計のところというのは、どこのことかな?全員で指しましょう。…はい。それでは次に全員立ちます。合計の空いている2か所が計算で求められることを隣の人と確認したら座りましょう。
このように、与えられた情報から計算で導くことができる部分を全体で考えていく。スモールステップで進んでいけるように、最初に与える情報は合計の3か所に留めた。
2「あと1個分かれば…」という考えを解釈する(18分)
まだ埋められるところはあるかな?
もうないよ…。
あと1個分かれば全部分かるよ。先生、あと1個教えて!
いや、何も教えてもらわなくても予想できるよ!
今回の授業は、ここが1つの分かれ道だった。「1個分かれば全部分かる」という意見と「何も分からなくても想像できる」という意見のどちらを先に取り上げるか。全体の学びを揃えるため、まずは「1個分かれば全部分かる」という考えを全体で解釈することとした。
「あと1個分かれば全部分かる」というのは、どういうことかな?
たとえば、表の(1)が分かれば…。
ストップ!全員立ちましょう。○○さんの発言の続きを隣の人と確認します。確認できたら座りましょう。
「1個分かれば全部分かる」という意見の解釈をペアで確認した後、全体で共有した。また、このペアでの確認をしている際、ある1組のペアがおもしろいことを言い始めた。
おもしろいこと見付けた。(1)に入る数で、この数は絶対にないっていう数がある。
もし、(1)が9だったら…
ストップ!みんなも(1)に9を入れて試してみよう。
あ〜そういうことか。
(2)が11になって、(4)に数が入らなくなってしまうんだ。
9だけじゃなくて、10未満(9以下)の数は全部うまくいかなくなるよ。
21以上もダメだね。(1)に入るのは、10〜20だね。
3「表を予想できる」という考えを解釈する(12分)
さっき「(1)〜(4)の中の1個も分からなくても予想できる」って言っていた人がいたよね。どういうことかな。
「(1)〜(4)の中の1個も分からなくても予想できる」という発言が子どもから出なかった場合には、「本当に((1)〜(4)の中から)あと1個分からないと表は完成しないのかな?」とゆさぶり発問をする。
適当に数を当てはめていったんじゃない?
とりあえず、(1)に「11」を入れてみたんだけど、そうしたらうまくいった。
ぼくは、15を入れてみたよ。15でも表はできた。
13でもできたよ。(1)には、さっきやったみたいに10〜20までの数なら何でもうまくいくんだね。
じゃあ、あと1個分からなくても表は完成するね。
でも、うちのクラスの答えは1つのはずだよ。
たくさんありすぎて結局1つにしぼれないよ。
やっぱりデータはもう1個必要だね。1個決まらないと答えがたくさんになってしまうね。
先生、やっぱりどこでもいいからあと1個データを教えて!
4二次元表の残りの部分を完成させる(5分)
分かりました。(1)は16だったよ。残りの表を埋めて二次元表を完成させましょう。
できた。表の数値はきれいに埋まったよ。
今日の授業でなるほど!と思ったことや疑問に思ったことを簡単に発表してください。
4か所分かれば二次元表は完成させられる。
4か所の場所はどこでもいいのかな?
もしかしたら、場所によっては3か所でもできたりして…。
新たな問いも生まれてきたようですね。続きは、ぜひ自主学習でやってみてください。
学習後の振り返りを書かせる時間はなかったため、数人に気付きや新たな問いを表出させ、自主学習への意欲付けをして授業を終えた。
授業のとっておきポイント
教科書の問題は、4つの情報を示してあり、そこから計算で必要な残りの数値を求めていくというものである。今回は、二次元表のしくみをまだ理解し切れていない子が数人いることを考慮し、表の見方も丁寧に振り返りながら進めたかった。そこで、3つの情報のみ提示することで、求めることができる部分を限定した。表の合計の数を解決した後、子どもの視点が表の(1)〜(4)に向くように展開した。このようにスモールステップで展開していくことで、全体の学びを揃えながら進めることができる。また、情報が足りないから困るのではなく、知的好奇心をゆさぶり、意欲を喚起させることができる。
(1)〜(4)の数値はあえて最後まで提示しないようにした。そうすることで、子どもが自ら「たとえば…」と数値を決めて考え出す。多様な数値設定を子ども自らが行うことで、二次元表を完成させるために、多くの計算をしたり、二次元表のしくみに触れながら考えたりすることにつながる。