- 学習つまずきサポート
- 特別支援教育
本コーナーでは、一生懸命頑張っているのになぜか学習がうまく進まない…そんな学びにくい子のつまずきの原因を探り、そのサポート法を解説していきます。
山田先生、私のクラスの子(4年生)について相談させてください!
学びのつまずき相談
計算ミスが多くて困っています
4年生の男の子です。かけ算などを筆算で計算するときに、わかっている計算でも、計算ミスが多く、半分も正解しないことがよくあります。授業を聞いているときには、一応理解して計算することができるのですが、何度も注意して、落ち着いてやりなさい等と指導するのですが、なかなか改善しません。本人も間違いが多く、モチベーションがさがってきています。どう指導したら、計算ミスがなくなるでしょうか。
計算ミスがあるときに、答えが違っているからと×をするだけでなく、指導者である先生が、「どこをどう間違って計算ミスになってるか」をしっかり分析してください。筆算のやり方はわかっているのに時々間違う場合、どこで間違うかが大切です。それと、子どもはどのような特徴を持っているかをしっかりつかんでおくことが大事です。
答えがあっているかどうかのマルつけではダメなのですね。
山田先生の分析
誤りの原因を分析してみよう
25
×26
────
120
40
────
520
計算ミスはどのようなプロセスでおこっているのかを考えてみましょう。上記の計算の場合、繰り上がりを書き忘れているため、計算ミスがおこっています。
ここで大事なことは、筆算のやり方を一応理解しているという前提がある子どもだということです。「わかっているけど、忘れてしまう」状態なわけです。
それに子どもがどんな特徴もっているか、例えば「落ち着きがなくせっかちで、ゴソゴソしている」というような子どもさんだったら、「集中力がなく、次のことに気がとられて計算手順を抜かしてしまう」という状態だと考えられます。気が焦って手順が飛んでしまうわけです。でも自分では飛ばしたことにも気がついていないので、頑張っても正解しない→モチベーションが下がる→勉強が嫌になる、というような連鎖になります。
なるほど、です。わかっていないわけではないけれども、子どもの特徴から、あわててとばしてしまうんですね。でも、どうしたら手順を飛ばさなくなるんでしょうか。
学び支援のアイデア
計算の手順を意識させよう
計算手順をしっかり意識させ、手順が抜けないように計算させることが大切です。
例えば、計算手順書を見ながら計算するようにする方法があります。
筆算式に先に→と番号を書き込んでから、計算を始めます。
別のやり方としては、下記のようなかけ算筆算ヒントカードのようなものを使い、計算が絶対抜けない方法で計算させるようにします。同じ色のところに答えを書いて、二つのマスのところを合わせてその下の大きいマスに答えを書いています。
なるほど。
集中が悪いということは、注意が飛びやすく、手順通りにものごとを行うことが難しいことにつながります。自分で注意を持続するのが難しいのですから、手順を意識させる支援、視覚的に手順が飛ばないように気がつくことができる支援を行っていきます。
学びづらさ、それ自体への支援
集中の悪さはADHDの特徴と関連することがある
ADHDは発達障害です。その特徴があるということは、本人の努力だけでは解決しないことが多いでしょう。特徴から失敗する様々なことには、やはり支援が必要です。
支援をすることで、本人の成功体験を導き出し、モチベーションを上げるようにしていくと、本人の努力を引き出すことができます。きちんと支援することで、本人が努力する力を育てていくことが大切です。
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