- 学習つまずきサポート
- 特別支援教育
本コーナーでは、一生懸命頑張っているのになぜか学習がうまく進まない…そんな学びにくい子のつまずきの原因を探り、そのサポート法を解説していきます。
山田先生、私のクラスの子(2年生)について相談させてください!
学びのつまずき相談
板書が写せないんです
2年生の男の子です。いろいろな授業で板書をします。子どもたちは、板書をノートに写しますが、彼は、板書が写せないんです。書くのは書くのですが、とても時間がかかったり、違うところを写していたり、途中で止まってしまったりなど、うまく写せません。黒板が離れているから見にくいのかと思い、横にお手本を置いて、写すようにいっても、写すスピードは心持ち早くなりますが、違う場所を写したりしています。どう指導すればいいでしょうか。
本読みの時もたどたどしくありませんか。一文字一文字の逐次読みだったり、文を変な区切りで読んだりとか…。本読みの状態はどうでしょうか?
本読みは確かにたどたどしいです。文の区切りもおかしいというか、一文字ずつ拾い読みしている感じです。
山田先生の分析
誤りの原因を分析してみよう
板書がすらすら写せるという状態はどういう状態でしょうか。改めて、すらすら板書している状態を改めて考えて見て下さい。すらすら板書を写せる皆さんは、どのようにして、素早く板書していますか。ほとんどの方は、黒板に書いてある文を一文読んで暗記して、ノートに書いていませんか。あるいは、単語単位で覚えて書いているかも知れません。板書が写せないという状態の要因は、このように「文や単語をまとまりで覚えずに写す」ということです。つまり「一文字見ては書き、一文字見ては書き」という方法で写します。当然時間もかかりますし、どこを写しているかもわからなくなります。
このような状態に至る板書が写せない要因は,実は色々あります。眼球運動という視機能に関わる目の動きが上手くいかないため、黒板と手前などとの視点の移動が上手くいかなかったりします。これは、子どもの目の前で「鉛筆をじっと見るように伝えてから、鉛筆を左右にゆっくり動かして、眼球が鉛筆の動きについてみるかを観察します。
本読みもたどたどしいということと板書が写せないことと、困難が一緒に存在する子どもの場合は、言語の力が弱く、知っている語彙が少ない、助詞との区別がつかないなどの要因が考えられます。つまり、単語を固まりとして見つけられないので、一文字一文字見て写していくしか仕方がないのです。
さらに、ワーキングメモリの力も関係します。ワーキングメモリが弱いと、単語や文単位で覚えることが難しく、どうしても一文字一文字見て書くになってしまいます。
なるほど、です。単語を意識出来ないので、一文字ずつ写しているんですね。
学び支援のアイデア
固まりで覚えて、写す練習をしよう
黒板をすらすら写すためのトレーニングが必要です。板書を示して「この単語を覚えて、そこまで一気に書きましょう」というように単語を覚えてさせて、写すという一連の動作を一緒にしていきます。そうすることによって、その方が早く写せることを体験していきます。
そのトレーニングをしつつ、語彙力をつけていくことも必要です。たくさんのものの名前を教えて行ったりとか、言葉の意味を教えて行ったりするなどして下さい。
そして、もう一つワーキングメモリを鍛えるトレーニングにもチャレンジしましょう。ワーキングメモリを鍛えるトレーニングは、現在様々なところで試行錯誤されています。このベースとなる力を伸ばすことも一緒にトレーニングしてみて下さい。
なるほど。。
原因をさぐって、そこの部分に的確にトレーニングすることが大切なんです。
学びづらさ、それ自体への支援
語彙の力、記憶の力の弱さが様々に影響する
このタイプの子どもたちは、言語の力や、ワーキングメモリなどの力が弱いという特徴があるために、他の様々なことにつまずきがでやすいといえます。
例えば,算数が苦手であったり、読解が出来なかったりします。このような他の問題にも対応するために、基礎的な力である言語の力や、ワーキングメモリなどをトレーニングでのばしていくことが必要です。現象だけへの対応でなく、背景となる要因を見て対応を考えて見て下さい。
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