- 学習つまずきサポート
- 特別支援教育
本コーナーでは、一生懸命頑張っているのになぜか学習がうまく進まない…そんな学びにくい子のつまずきの原因を探り、そのサポート法を解説していきます。
山田先生、私のクラスの子(1年生)について相談させてください!
学びのつまずき相談
『です』を『れす』と書いてしまう
1年生の男の子です。2学期に入り、ひらがなも覚えたはずなのに「あのねのーと」を使って短い作文指導をしているときに、「です」を「れす」と書いてします子どもがいるんです。
文字はていねいに書いているのでが、目の前で書いているのをみても、迷うことなく「れす」と書いています。話す時に「〜れす」と話しているかというと、滑舌は悪いのですが、ちゃんと話しているように聞こえます。何度赤ペンで修整しても、次の時には、また同じように書いています。どのように指導したらよいですか。
「からだ」が「からら」になったり、「どうろ」を「ろうろ」と書いたりしませんか。
そういうこともよくあります。
山田先生の分析
誤りの原因を分析してみよう
一文字一文字を教えているときには、気にならなかったのに、作文など自分で文章を考えるようになったら、気になることがでてきたということは、文字はていねいに書けていることなどからも、文字の形の認識は大丈夫だったということです。
また、「からだ」が「からら」になったり、「どうろ」を「ろうろ」などから「ダ行音」が「ラ行音」に置き換わっている特徴が見られます。
さらに先生は、発音に問題は無いと思っています。発音上のはっきりした誤りはなくても、滑舌が悪いということが引っかかります。よく聞いてみると「で」と「れ」の中間音で発音していることがよくあります。
このような場合、原因は、「ダ行音」が「ラ行音」の聞き分けができず、つまり違う音として認識が出来ず同じ音として聞こえているという状態に相当します。聞き分けができていないので、実は発音も中間音で発音するため、曖昧な発音になります。聞く方からすると「滑舌が悪い」と言うことになります。
聞き分けができないので「で・れ」の中間音で聞くので「で」「れ」どちらの文字を書くかが判断出来ないための書き誤りということになります。
なるほど、です。聞き取れないので、書き誤るんですね。
学び支援のアイデア
『ダ行音』か『ラ行音』かを言い分けるための発音指導から始める
「ダ行音」が「ラ行音」は構音点といって、舌がつく位置を変えると正しい発音がでます。構音点を明確に示し、正しい発音が出るようにします。自分で違う音が出せたら、その音が違う音だという認識ができます。
この状態で、「ダ行音」が「ラ行音」を今度は聞き分けて、正しい文字を指し示す練習をしていきます。「ダ行音」が「ラ行音」のひらがなカードを用意し、それを使って、文字と発音が正しく認識して、指し示すように何度も練習します。この練習が上手くいくと、「です」を「れす」の書き誤りは自然と解消していきます。
なるほど。。
構音指導が難しいようなら、言語聴覚士さんや聴覚障害特別支援学校などの先生に教えてもらうとよいと思います。
学びづらさ、それ自体への支援
このタイプの子どもたちは、聞く力が弱いことが多い
このタイプの子どもたちは、聞き分ける力が弱く、聞き間違いもよくあったりします。しっかり聞き分けるというトレーニングを、低学年の間に気づき、しっかりしていくことが大切です。
音の問題にアプローチせずに、何度も「です」を「れす」を書き直していくことでも、いつかは書き誤らないようになりますが、根本的に聞き分けるようになったわけではなく、こんな時はこう書くとパターンを覚えたに過ぎません。聞く力の弱さを放置したまま進級すると、次に英語の学習でつまずきます。英語は、日本語よりもより細かい音、母音と子音を区別することが求められるので、ここでつまずくことが予想されます。「です」を「れす」を間違っていると気がついた時点で、根本的な対策をとる必要があり、英語の学習困難を防ぐことはできません。
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