- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
7月になり夏休み目前です。学校では学習進度の調整や成績処理などで忙しい先生方も多いと思います。しかし忙しい中でも少しだけ先のことを考えてみたいと思います。子どもたちは夏休み明けに、どんな顔をして学校に来るでしょうか。4月から7月、教室に笑顔があふれていたら、夏休み明けも元気に明るく登校できるはず!7月は、そんな「笑顔な学級」のしめくくりをしたいものです。
笑うから楽しい
「楽しいから笑う」は、受け身の笑顔。でも、「笑うから楽しい」は自分から明るい空気を意識して楽しい雰囲気をつくろうとする気配りの心が生み出す笑顔です。
学級の中では、自然に子どもたちが関わりあっている姿が理想的ですが、実際には、クラス替えのあった教室や、人間関係の固定化した単学級などのカタい雰囲気を和らげるために、教師が意図的に児童同士が関わる場面をつくることもあると思います。
そんな関わり合いの中で、笑顔を生むのが難しかったときや、児童同士が自然と笑顔になっているときは、この価値語を提示するチャンスです。笑顔での関わり合いには価値があるということをしっかりと伝え、良い笑いが起こるたびに、この価値語を子どもたちと共有したいものです。
最高のドヤ顔
何かを自信をもって成し遂げたとき、自然と笑顔が溢れるものです。そんな自信いっぱいの顔も、子どもたちらしさが出る瞬間。その顔も、教師や周りの子どもの一言で価値づけられます。
自分の考えを言い切った。50m走で自己ベストを更新した。初めて一輪車に乗れた。学校は、「できた」をたくさん実感できる場所。何かを成し遂げたときには、感情を内にしまわず、その子の目一杯の笑顔を見たいものです。そんなときは、茶目っ気たっぷりに「いいんですねぇ!最高のドヤ顔だ!」と価値づけてあげると、その子も周りの子もフフッと笑顔になり、教室に温かい空気が生まれます。元気の良い子がさらにイキイキとし、普段自分らしさを出せない子も自分らしさを出すきっかけになる、そんな価値語です。
一笑懸命
一生懸命に取り組んでいると、苦しく辛いこともあるけれど、「楽しい」「おもしろい」と感じることもあります。その状態はまさに「一笑懸命」状態。楽しんで活動することで、たくさんのことを吸収できます。
学校生活の中で取り組むことは、いつも楽しいこと、おもしろいことばかりではありません。ときには負担を感じることもあると思います。しかし、そんな状況でも友だちと関わり合ったり、自分の成長を実感したりしていれば、笑顔が生まれる瞬間があります。そこを見逃さず、この言葉で価値づけていくことで、子どもたちは様々な活動の中に笑顔に価値を置いた活動をするようになります。「今、すごく一笑懸命な顔してたよ!」と声かけを続けることで、子どもたちの一生懸命さや真剣さの中の眩しい笑顔をさらに輝かせることができるはずです。