- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
7月が終わり、夏休みに入りました。とはいえ、先生方におかれましては、サマースクール、水泳指導と忙しい日々を送られていると思います。そんな中、夏休み明けの9月から、成長に向かって再び走り続ける子どもたちの姿を考えてみたいと思います。7月までの指導を振り返り、しっかりと作戦を立て、子どもたちが自分自身と向き合い、中心となって学級を動かしていく「自律への風土ある学級」を展開していきたいものです。
決めて断つ
自分の姿を振り返り、「Aの道」(よりよい道)に進むための具体策を考えるとき、子どもたちは自分の弱さと向き合います。そして、自分の弱さを認めつつも、一歩を踏み出すことがさらなる成長につながります。そのためには、弱さを断つ覚悟が必要です。
新学期の目標を決める際など、前学期の自分を振り返らせる時間を多くの先生方がとると思います。その際、自分の弱さと向き合わせることが成長への鍵です。弱さと対峙するからこそ、次への一歩が踏み出せます。踏み出せるのは、自分の弱さを断とうとする覚悟が芽生えたからです。言うまでもなく、この「決めて断つ」は、昨年度、広島東洋カープを25年ぶりの優勝に導いた原動力である、黒田博樹氏の言葉です。偉人の力強い言葉で、子どもたちの小さな一歩を大きな一歩へと後押ししたいものです。
「間」を「磨」にする(魔にしない)
一瞬の間に、様々な子どもの姿があります。そこには、価値ある子どもの姿が数多くあります。そこをすかさず価値づけることによって、寸暇をも価値ある時間に変えていくことができます。
授業中、課題が早く終わったとき、授業間の準備時間、給食の待ち時間、掃除から教室に戻ってきた準備時間など、学校生活の中には、わずかかもしれませんが、多くの「間」が存在します。その時間に、近くの友達に教えようとする姿勢、次の授業の準備、読書を行うなど、価値ある行動をとることで、「間」が自分を磨くための価値ある「間」に変わります。「価値ある「磨」だね!」と声掛けを続けることで、寸暇を成長につなげる姿勢が学級に広がっていき、成長する集団に近づいていきます。
動きのトッピング
一生懸命話し合いに参加すると、知らず知らずのうちに身振り手振りを加えながら思いを伝えようとする姿が見られます。その状態は、まさに話し合いが白熱している状態です。その姿を価値づけることで、その先にある深い学びにつなげましょう。
話し合う際、聞き手の聞き方が話し合いを促進させます。具体的には、「笑顔、うなずき、あいづち」を行うことで、話し手に安心感を与えることを伝えます。そして、安心感のある話し合いが進むと、話し手が身振り手振りを使って自分の思いを伝えようとします。その身振り手振りには、思いをどうにかして相手に届けようとする価値が詰まっています。そして、そういう身振り手振りは、白熱する話し合いへの原動力になります。「自分の意見を相手に伝えたい!」と思える対話を目指して、「動きのトッピング」も大切にしていきたいものです。