- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
菊池実践や価値語といえば、高学年のイメージをもたれている先生方も多いのではないでしょうか。また、低学年は語彙が少ないし、発達段階にも合わないとお考えの先生もいるのではないでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。低学年の子どもたちにも価値ある言葉のシャワーを降り注いでいけば、価値ある言葉を自然と使うようになり、みるみるうちに成長し始めます。子どもたちは年齢に関係なく、大人が考えている以上に成長するのです。
成長の階段を上り続けよう
幼い子どもたちも日々成長をしています。その小さな成長は階段のようにつながっています。成長を一過性のものとするのではなく、次の成長へとつなげていきましょう。
1年生の4月。まだあどけなさが残っていた入学時の子どもたちは、学校のきまりなど知らないことがたくさんありました。しかし、半年も過ごすようになると、学校のきまりだけではなく、公のルールも身につけていきます。また、グループ活動や当番活動などいろいろなことが自分たちの力でできるようになっていきます。こうした日々の小さな成長がいずれ大きな成長となるよう、一歩ずつ確実に階段を上るよう価値づけ、大切にしていきたいものです。
学習の空気をつくる
授業と授業の合間の数分間。次の学習の準備をするだけでなく、落ち着いた空気や学習に向かう空気をつくることで、学習もより深いものになるでしょう。
どの学校でもある授業と授業の合間の休憩時間。子どもたちはどのように過ごしているでしょうか。トイレに行ったり、教室移動をしたりする場面が多いと思います。しかし、学校生活に慣れてくると、走り回ったり、遊び始めたりする子どもも出てくるのではないでしょうか。そのまま学習に取り掛かると、落ち着かない空気のまま学習に取り組むことになります。そんなときには、「なぜ休憩時間があるのか」と子どもたちに問いかけ、休憩時間の意義を一緒に考えることも大切だと思います。たった数分の時間ですが、されど数分間。次の学習の助走となる大切な時間にしていきたいものです。
学んだことを生かそう
子どもたちは日々の生活の中で多くのことを学びます。その学びが次の成長へとつながるよう、生かしていくことが大切です。
ある授業で、話し方、聞き方についての学習をしました。その授業の中で、相手の方を見てうなずきながら聞くことを学んだAさんは、学習の振り返りで「毎日、今日勉強したことをやります」と書いていました。Aさんは、そのときに学んだことを国語の学習のときでも算数の学習のときでもやろうと心がけ、今実践しているところです。そんなAさんの姿を見て、真似をする子どもも増えてきました。低学年は、他学年に比べ、新しいことを学ぶ機会が多いと思います。その学びをその場限りにするのではなく、応用し活用していくことで、また新たな学びへとつながっていくのではないでしょうか。