ほめ言葉で子ども&クラスが成長する!菊池道場の価値語録
子どもの笑顔がみるみるあふれる! プラスに考える学級づくりの羅針盤
ほめ言葉で子ども&クラスが成長する!菊池道場の価値語録(18)
低学年の子どもが成長する価値語録
菊池省三監修菊池道場広島支部
2017/11/10 掲載

菊池実践や価値語といえば、高学年のイメージをもたれている先生方も多いのではないでしょうか。また、低学年は語彙が少ないし、発達段階にも合わないとお考えの先生もいるのではないでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。低学年の子どもたちにも価値ある言葉のシャワーを降り注いでいけば、価値ある言葉を自然と使うようになり、みるみるうちに成長し始めます。子どもたちは年齢に関係なく、大人が考えている以上に成長するのです。

成長の階段を上り続けよう

 幼い子どもたちも日々成長をしています。その小さな成長は階段のようにつながっています。成長を一過性のものとするのではなく、次の成長へとつなげていきましょう。

 1年生の4月。まだあどけなさが残っていた入学時の子どもたちは、学校のきまりなど知らないことがたくさんありました。しかし、半年も過ごすようになると、学校のきまりだけではなく、公のルールも身につけていきます。また、グループ活動や当番活動などいろいろなことが自分たちの力でできるようになっていきます。こうした日々の小さな成長がいずれ大きな成長となるよう、一歩ずつ確実に階段を上るよう価値づけ、大切にしていきたいものです。

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学習の空気をつくる

 授業と授業の合間の数分間。次の学習の準備をするだけでなく、落ち着いた空気や学習に向かう空気をつくることで、学習もより深いものになるでしょう。

 どの学校でもある授業と授業の合間の休憩時間。子どもたちはどのように過ごしているでしょうか。トイレに行ったり、教室移動をしたりする場面が多いと思います。しかし、学校生活に慣れてくると、走り回ったり、遊び始めたりする子どもも出てくるのではないでしょうか。そのまま学習に取り掛かると、落ち着かない空気のまま学習に取り組むことになります。そんなときには、「なぜ休憩時間があるのか」と子どもたちに問いかけ、休憩時間の意義を一緒に考えることも大切だと思います。たった数分の時間ですが、されど数分間。次の学習の助走となる大切な時間にしていきたいものです。

学んだことを生かそう

 子どもたちは日々の生活の中で多くのことを学びます。その学びが次の成長へとつながるよう、生かしていくことが大切です。

 ある授業で、話し方、聞き方についての学習をしました。その授業の中で、相手の方を見てうなずきながら聞くことを学んだAさんは、学習の振り返りで「毎日、今日勉強したことをやります」と書いていました。Aさんは、そのときに学んだことを国語の学習のときでも算数の学習のときでもやろうと心がけ、今実践しているところです。そんなAさんの姿を見て、真似をする子どもも増えてきました。低学年は、他学年に比べ、新しいことを学ぶ機会が多いと思います。その学びをその場限りにするのではなく、応用し活用していくことで、また新たな学びへとつながっていくのではないでしょうか。

菊池 省三きくち しょうぞう

愛媛県出身。山口大学教育学部卒業。 小学校教師として「ほめ言葉のシャワー」など現代の学校現場に即した独自の実践によりコミュニケーション力あふれる教育をめざしてきた。 教員同士の学びの場「菊池道場」を主宰し、その支部は全国40ヵ所に広がっている。「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたことをきっかけに全国へ講演。 「世界一受けたい授業」では、学級崩壊立て直し人として紹介される。2015年3月に小学校教師を退職。自身の教育実践をより広く伝えるため、執筆・講演を行っている。『ほめ言葉手帳』には価値語録とともに、子どもをほめる手立てが満載!

菊池道場広島支部きくちどうじょうひろしましぶ

平成26年8月発足。本部は広島市にある。在籍数21名。月に1〜2回、広島県内一円から教員や精神対話士などが集まり学習会を開いている。月刊誌『授業力&学級経営力』(明治図書)、『白熱する教室 創刊号』『価値語100ハンドブック』『1年間を見通した白熱する教室のつくり方』(以上、中村堂)などに執筆協力多数。

(構成:茅野)
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