- 菊池道場の価値語録
- 学級経営
いよいよ2学期がスタートしました。2学期は、子どもたちの成長につながる行事=非日常が多く予定されている学校も多いことでしょう。非日常での成長をさらに加速させるためにも、子どもたち同士の「あたたかい関係性」という土台が必要になってきます。子どもたちの人間関係を広げたり深めたりしながら、あたたかいつながりのある学級をつくっていきましょう。
リフレーミング力
リフレーミングとは「見方を変えてとらえること」です。これまでの自分の見方を変え、違う角度からとらえてみましょう。マイナスもプラスにとらえることで、相手の新たな一面に気づくことができます。
「あの子って○○だからいや」「あの子はいつも△△だから…」そんな声が学級の中から聞こえてくることがあります。素直だからこそ、子どもたちは相手のマイナス面をそのまま受け止めてしまっているのでしょう。しかし、少し見方を変えるだけで、その人のマイナス面をプラス面としてとらえることができます。「怒りっぽい→情熱的・一生懸命」「口が悪い→素直」「しつこい→粘り強い」そうすることで、相手のよさに気づき、相手に対するリスペクトが生まれ、新たな人間関係が生まれるきっかけになるのではないでしょうか。こういった見方を、教師自身が心がけておくことも大切です。
できたかできていないかよりも、伸びたか伸びてないか
「できたかどうか=結果」よりも「伸びたかどうか=成長(過程)」を大切にしましょう。がんばりや成長にも目を向け、認め合えるからこそ、あたたかさが生まれます。
Aくんは「長時間落ち着いて椅子に座ることができない」という特性をもっており、授業中に立ち歩いてしまうことが多い子です。そのため、前年度までは注意を受けることが多かったそうです。今年度、長時間落ち着いて椅子に座ることはできていないものの、立ち歩くことは少なくなりました。そんなAくんの変化に気づいたBさんが「去年にくらべたらAくん、がんばっとるんよ」と教えてくれました。その瞬間、Aくんのうれしそうな笑顔とともに、その場にあたたかい空気が生まれました。「座れているかどうか」に目を向けるだけでなく「座れる時間が伸びたかどうか」に目を向けることが大切です。成長を認め合うサイクルを学級にあふれさせていくことで、あたたかい空気を作り出していきましょう。そして、その輪を広げていきましょう。
クッション笑顔
コミュニケーションでは笑顔を大切にしましょう。笑顔がクッションのようにふんわり柔らかく、優しさのあるコミュニケーションをつくってくれます。そうすることが、お互いの心を通わせることにつながります。
行事に向けての話し合いや授業での白熱した話し合い、新たな人間関係を築くための話し合いなど、2学期も多くのコミュニケーションの場が教室にはあふれることと思います。「こうしたい」「自分はこう思う」「どんな話ができるかな」そういった真剣さや不安があるほど、表情は硬くなってしまうのかもしれません。そんなときこそ「笑顔」を思い出しましょう。「今、自分の表情、笑顔になっているかな」そう心がけながらコミュニケーションしていくことで、相手を思いやることができ、柔らかなコミュニケーションを通して、お互いの心を通わせていくことができるのではないでしょうか。