【音読】
音読発表をさせているのですが、ただ単に音読するだけになってしまいます。どのような工夫をすればよいのでしょうか。
ココがポイント!
「音読のワザ」を子どもから引き出す―子どもに簡単な作業をさせるだけ!―
「音読のワザ」を、子どもから引き出すのは、それほど難しいことではありません。子どもに簡単な作業をさせるだけで「音読のワザ」が出てきます。
例えば、右に示したのが、一人の子どもを指名して音読させたあと、クラス全体で「音読のワザ」を見つけるためのワークシート(もちろん、ノートに書かせてもよい)です。【@本文の「どのことば」に、「どんな音読の工夫」をしていますか。三つ見つけましょう。】という作業をさせればよいのです。なお、【A @で見つけた「ことば」から、どんな場面のようすや人物の気持ちが分かりますか。】については、子どもやクラスの状況に応じて、この項目を入れるかどうかを決めます。
「音読のワザ」の呼び方も、コツ・工夫・ポイント・アイテムなど子どもと相談して決めるとよいでしょう。
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ワザ1 「音読のワザ」の整理は教師が行う―学習指導要領の指導事項を視野に入れる
子どもが見つけたワザを整理するのは、教師の役目です。その際、「子どもの言葉」をできるだけそのまま使うようにしましょう。学習指導要領の指導事項を視野に入れておくことも重要です。子どもからたいていのことは出てきますが、万一、指導事項に示されてあることがらが出ていなければ、「先生にもワザを提案させてね」と言って加えるのです。
ワザ2 「音読のワザ」表を使って身についた力を押さえる
三木惠子学級(兵庫県たつの市東栗栖小学校4年)においては、下のような「音読のくふうコツ」が生み出されました。この「音読のくふうコツ」を使って音読発表メモ(原稿)を作らせます。さらに、この例のように「どんな『音読のくふう』を身につけましたか」と、身につけた力の押さえにも活用することができます。
第一、「音読のワザ」を見つけるためのワークシートを作成することはいい発想だと思います。このワークシートは「どのことば」に、「どんな音読の工夫」に「わかった場面の様子や人物の気持ち」という基本的な項目が構成されています。一人の子どもを指名して音読させたあと、クラス全体で「音読のワザ」を見つけ、ワークシートに記入することです。これは子どもの聞く能力の養成にも役に立てるでしょう。
第二、「音読のワザ」表を使って身についた力を押さえることに感心しました。三木先生は「音読のくふうコツ」を作成し、子どもにこの「音読のくふうコツ」を使って音読発表原稿を作らせます。いい音読をするために、まず子どもに音読のコツを教えるのは大事であることは気づきました。それに、「音読のくふうコツ」をチェックし、いままで身に付けた音読の力を意識させ、音読の意欲を向上させることにつながるでしょう。
また音読に限らず、子どもから「ワザ」を引き出すことも重要なことのように思います。しかし子どもに全て任せきりにするのではなく、学習指導要領の指導事項を視野に入れる点、教師の働きかけが求められる点についても言及されており、さすがだと感じました。
現代文だけでなく古典の文章にも通用するワザだと思うので、中学校や高等学校の国語科でも実践してみたいです。