堀江式 国語授業のワザ
国語授業のお悩みをズバッと解決!“ワザの堀江”先生が指南する、堀江式の大ワザ&小ワザが満載!
国語授業のワザ(7)
新聞活用として「はがき新聞」にチャレンジしよう!
―「はがき新聞」によって国語と算数の学びをつなぐ―
兵庫教育大学大学院教授堀江 祐爾
2012/12/5 掲載

【新聞活用(はがき新聞)】

国語科で身につけた「新聞づくりの力」を、他教科等において活用する方法として、時間をそれほど取らない、簡便にできる学習活動はありますか。

ココがポイント!

他教科でも活用できる「新聞づくりの力」を国語科で指導する

 「新聞活用」は、NIE:Newspaper in Education(教育に新聞を)ともよばれ、国語の教科書においてもこれまで以上に扱われるようになってきています。「壁新聞」や「一枚新聞」の形で「歴史新聞」「環境新聞」などをつくる場合、「新聞づくり」そのものを社会科や理科において指導するわけにはいきません。やはり、「新聞づくりの力」は国語科において指導する必要があります。

効果抜群! 堀江式 大ワザ&小ワザ

ワザ1 「はがき新聞」を活用して国語の学びと算数の学びをつなぐ

例 「壁新聞」や「一枚新聞」も有効な「新聞活用」ですが、どうしても時間がかかってしまいます。時間をそれほど取らない、簡便にできる学習活動として、「はがき新聞」を活用するという方法があります。「はがき新聞」の例(赤穂市立原小学校4年:塩江理栄子学級において生み出されたもの)では、算数における「分度器を使って角度を測る」という学びについてまとめました。「角はおもしろい」「分度器の使い方を知った」「初めて知った事」「今度したい事」の見出しを掲げ、絵や記号をうまく使って、算数の学びをまとめています。もちろん「はがき新聞」は、国語科でも活用できます。

ワザ2 「新聞づくりのワザ」が「新聞活用」学習活動を支えている

 塩江学級では、次のような「新聞づくりのワザ」がしっかりと「新聞活用」学習活動を支えています。新聞記者をゲストスピーカーとして招き、その話から学んだことも生かされているワザ表です。

☆新聞づくりのワザ☆

原小学校4年生6月版

3年生までのワザにプロから学んだことをつけ加えたもの

【見出しで読み手の心をつかむ】

  1. 記事の内容が見出しで分かる
  2. 字数は8〜11文字…長すぎず短すぎず
  3. 見出しで読み手を引きつける
  4. 白地黒ベタ…大変なこと・しんこくなこと
  5. 見出しの大小
  6. たて書き・横書き・ななめ・幕

【記事は分かりやすく】

  1. わり付け…トップ・肩・へそ
  2. 組み立ては逆三角形に…大切なことから書いていく
  3. 5W1H(事実)…いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように
  4. 中心となる記事にはリード文(記事のあらすじ)
  5. 一番伝えたいことをくわしく書く
  6. 記事に合った絵・図・地図を入れる
  7. 絵と字のバランス
  8. 写真にはキャプションを付ける
  9. よびかけの言葉を入れる
  10. 文章の長さに気を付ける 一文は短く
  11. 前と比べる
  12. 感想・ふり返り・分かったことを書く

【強調工夫】

  1. デザインを工夫する(わくの色・文字の色・文字の大きさ)
  2. 「―」や「?」や「…」などのマークを入れて注目のポイントを示す

【楽しませ工夫】

  1. クイズ・ダジャレ・ギャグ・4コマまんが
  2. オリジナルキャラクターを作る

堀江 祐爾ほりえ ゆうじ

兵庫教育大学大学院教授、元中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会国語専門部会委員、平成20年版中学校学習指導要領(国語)作成協力者、「国語教育の実践と研究をつなぐ会」世話役代表。
主な著書に『「国語力」向上の授業改革1 国語科授業再生のための5つのポイント』『小学校新国語科 言語活動の展開がよくわかるシリーズ1 書く力がぐんぐん伸びる!「言葉のワザ」活用ワーク』、などがある。最新刊『小学校国語科授業アシスト 実物資料でよくわかる!教材別ノートモデル40』が好評発売中!

(構成:林)
コメントの一覧
14件あります。
    • 1
    • カニっ子
    • 2012/12/5 17:22:41
    わたしも、そして、我がクラスの子どもたちも、はがき新聞にはまってます!!毎月成長新聞を書いている子どもたちにとって、はがき新聞は、あっという間にできてしまうので、大好き!!総合的な学習の時間でお世話になった講師さんへのお礼状をはがき新聞にしてみました。とっても喜ばれましたよ。算数の学習のふり返りも、はがき新聞でするようになりました。字数に限りがある中で、大切なことを落とさないように書く学習!!まさに、思考力・判断力・表現力が身につきます。
    • 2
    • コウノトリの郷
    • 2012/12/7 16:51:27
    今まで新聞作りといえば,学習のまとめとして書くという方法しか思いつきませんでした。しかし,はがき新聞だと学習中のあらゆる場面で,子どもたちが手軽に負担なく書けるのではと気づきました。全教科で応用していきたいと思います。「新聞づくりのワザ」については,参考にしながら自分の学級に合わせて「ワザ表」を作成してみます。
    • 3
    • keichan
    • 2012/12/8 6:34:02
    NIEについては、以前からその重要性を感じ、高学年では取り入れてきました。新聞作り、新聞を読み比べる、読みキーワードや要旨をとらえるなどの学習は、言葉の力をつけるために大変有効だと思います。昨年、はがき新聞のことを知り、さっそく取り入れています。要旨をまとめる、見出しをつけるなど限られた字数制限の中で、思考力・判断力・表現力をつけることができる活動ですね。これなら、低学年でもすぐに取り入れることができますね。かるたづくりを活用して「新聞年賀状づくり」に取り組むことにしました。カラー印刷して一枚は学級内他者と伝え合い、一枚は年賀として、使います。
    • 4
    • 基洋宏
    • 2012/12/9 23:43:07
    誰でもすぐに取り組めそうなところがいいなと思いました。今年度採用された先生と一緒に取り組んでみようと思います。
    • 5
    • 島唄
    • 2012/12/19 23:05:17
    B4の紙に一枚新聞を書いたら私の学級の場合は2時間以上かかりましたが、はがき新聞だと短い時間で完成することができそうです。また、単元のまとめという形だけでなく、1時間の授業で学んだことだけでも、はがき新聞だと書くことができると思います。今回の堀江先生の連載を読んで、自分の学級でも取り組んでみたいと思いました。「新聞づくりのワザ」もとても参考になりました。
    • 6
    • 咲く花の
    • 2013/1/17 9:55:41
    新聞作りにはどうしても時間がかかってしまい、1年間に何度も取り組むことができない。一方、「はがき新聞」は短時間で作ることができ、年間を通して繰り返し活用することができそうだと感じた。紙面は限られているものの、編集する、見出しを付けるといった、新聞作りに必要な力を身に付けることができる学習活動である。
    • 7
    • さっこ
    • 2013/7/24 22:57:15
    はがき新聞、面白いですね!すごく手軽に書けそう!と、まず子どもたちが思えることがやる気を引きだすことに大変効果的だと思いました。塩江先生の素晴らしい所は今まで学習したことをもとに、「新聞づくりのワザ」をまとめていらっしゃること。これは子どもたちが学習したことを思い出し、自分たちが学んできたことを整理することにも役立つと思います。そしてそれらを使って算数の新聞を作り、分度器の学習をまとめることに使っているとは!このように国語の学習を国語だけでなく他教科にも反映させることは、子どもたちの力を確実なものにしていくと思います。手軽にできることですが、いろいろな準備がなされていると思います。子どもたちが手軽にできるためには、教師はその裏で膨大な準備をしています。そんな苦労も子どもたちが喜んで学習に取り組み、その学習が力になっていくものであればこんな嬉しいことはありませんね。
    • 8
    • D.T
    • 2013/7/25 2:30:59
    「はがき新聞」作りの活動では、自身が伝えたい内容を端的にわかりやすく示す必要があり、読み手を意識した表現や構成を念頭においた作成が求められます。そこで、塩江学級では、「新聞作りのコツ」について実際に新聞記者をゲストスピーカーに呼ぶなど、子ども達の力を最大限発揮させるための工夫が為されていました。さらに、子ども達の培ってきた既有の知識を融合させ、何をどのように新聞にするかを考えさせています。また、「新聞」作成ではなく、「はがき新聞」を作成させるところもこの活動のミソだと思います。子ども達にとって負担過重にならない程度において、子どもたちの興味・関心を高めつつ、「思考力」「判断力」「表現力」など多様な力を総合的に高めることができるため、非常に効果的な学習活動であると言えます。
    • 9
    • ホリ
    • 2013/7/30 16:36:28
    今回、紹介されていた「はがき新聞」は、文章量が多くないので、とても取りかかりやすいものだと感じます。また、「用紙が狭い」、「文章があまり書けない」という条件があるために、工夫が必然的に求められるのも良い点であると思います。
     私が取り組んできたものは、A4、B4ととても大きなサイズでした。時間がかかる上に、文章がたくさん書けるし、文章が思いつかない子は困る。さらに、指導するのも小さいサイズよりも時間がかかる。
     しかし、「はがき新聞」であると、工夫をしやすいし、見つけやすい。教師から見ても、指導しやすい。さらに、文章を書くのが苦手な児童も安心する。など、プラスの面がたくさんある。そして何より、「はがき新聞」で得た力は、大きな用紙の新聞になっても使うことができる。まずは、「はがき新聞」。学期末や進級前には「大きな新聞」というように、これから使い分けていきたいと思います。
    • 10
    • k.s
    • 2013/8/2 23:10:12
    塩江先生の「はがき新聞」の活動で取り組まれた算数科の角度の学習の新聞作りは目新しいと感じました。新聞作りは、国語科の新聞作りの学習、社会科や総合的な学習の時間の見学や学習のまとめなどで取り組むことがありましたが、算数科の学習で新聞作りをすることはあまりなかったからです。算数科でも単元が終わってからノートに「学習してわかったこと」「もっと学習してみたいこと」等のまとめは書かせていましたが、新聞にまとめることで更に子供達の理解力は高まるのではないかと感じました。見出しも「角はおもしろい」「分度器の使い方を知った」等、当該学年で押さえなければならない算数用語をきちんと使われているので子供達は自然に算数用語を覚え、活用することができると感じましたので参考にしたいと思います。
    • 11
    • タマ
    • 2013/8/14 22:44:17
    「はがき新聞」は、従来の「壁新聞」や「一枚新聞」といった「新聞づくり」の活動と比べ、取り組みやすさといった点で優れた活動である。従来の「新聞づくり」の活動においては、多くの文章を書く必要があるため、活動自体に時間がかかり、活動の場を幾度ももつことは難しいという課題があった。その点、「はがき新聞」は文章の量が少なくすみ、従来の「新聞づくり」の活動と比べて容易に作成が可能である。また、文章の量が少なくてすむことは、文章を書くことが苦手な子を安心して活動に向かわせ、全ての児童にとっては短い文章で考えをまとめる練習にもなる。「新聞づくり」の活動において、用紙のサイズを調整し、活動しやすい状況を作り上げる。また、「はがき」サイズの新聞でありながらも、新聞づくりの基本をおろそかにはしない。「はがき新聞」づくりの活動は、「はがき」を用いるという発想を含め、驚きの連続であった。「はがき新聞」づくり、是非活用していきたいと感じる活動である。
    • 12
    • カッパさん
    • 2013/8/15 0:09:21
    新聞は短すぎるとわかりにくく、長すぎてもだめといった特殊なものです。文だけではつまらなく、絵や写真ばかりでもだめです。新聞を作るのは大変な作業です。しかし小学校では国語に限らず新聞を作る作業に多くの時間を費やしていることでしょう。その基盤が国語であると私は感じています。今回の記事にあったはがき新聞を作るというのは非常に効率的な作業だと思いました。はがきサイズだとそこまでたくさんの情報量はいりませんし、時間もいらなければ、作業スペースも大きく取る必要はありません。新聞に必要なのは読みたいと思わせるようなインパクトな見出しです。この見出しを作るには国語で養う読書活動が大きいと思います。読みたいと思う本のタイトルなどを思い出し、真似てみるというのもいいなと思いました。
    • 13
    • カリメラ
    • 2013/8/15 22:36:01
    「「新聞づくり」そのものを社会科や理科において指導するわけにはいきません。」という部分には、全く同感しました。私は現在、社会科教育を専攻していますが、社会科教育でもまとめとして「新聞づくり」を行う実践例が多々あります。社会科の知識が十分あれば「新聞づくり」がうまくできるかといえば必ずしもそうではないと思います。「新聞づくり」を通して他教科との関連を図ることができるのだという視点をこの実践例から教えてもらいました。また、「新聞」というとどうしてもA4版やそれ以上の大きさでつくるイメージがありましたが、「新聞」のエッセンスを加えれば、はがきサイズであっても立派な新聞になるのだなと感じました。今までの「新聞づくり」のイメージを変える意味をもっていると思いました。「はがき新聞」なら、様々な場面で応用可能ですし、積み重ねがしやすいとも思います。
    • 14
    • がま
    • 2013/10/30 23:14:56
    楽しい国語の実践ですね。この「はがき新聞」の字数は、それほど多くないのではないでしょうか。学習の振り返り等で使用するならば、子どもたちのつぶやきや思いを言葉にしていくのは、ちょうどtwitterみたいであり、伝えたいことの要点をまとめるいい訓練になるかなと思います。
    あと、新聞づくりは、3段構成が一番いいのかなと感じました。
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