- 特集 「ゆとり教育の見直し」を検討する
- 提言・なぜ今「ゆとり教育の見直し」か
- ゆとり教育の本質は何だったのか
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- 専門家を軽んじた標語主義を排す
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- もはや「潮時」がきたのであろう
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- 新「読み書き算盤」時代を到来させようとする虚妄
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- 確かな学力と学習力の形成が重要
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- 今、必要な学習目的観の革新
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- 現場からの発言・「ゆとり教育の見直し」こう考える
- ゆれのない方針で、取り組んでみよう
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- 見直しの中で浮き彫りになる学力低下をもたらす授業と学力定着を保証する授業
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- 教師の指導力低下をこそ見直すべき
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- じたばたするな 問題の本質は教師の質だ
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- 校長からの発言・「ゆとり教育の見直し」こう考える
- 「ゆとり教育」の見直しは、根拠・観点を明確にして
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- 今、しなければならないことをする
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- 現状を維持し、授業の改善を
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- 経営環境の変化を認識し、学校のシステムを変えない限り
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- 「絶対評価」とゆとり教育の関連―何が問題か
- 履修制度から習得制度への転換は行われているか?
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- 「絶対評価」の評価基準と一元化
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- 基礎基本の充実を図る
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- 「生きる力」とゆとり教育の関連―何が問題か
- 「確かな学力」は教室で身につけさせるもの
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- 暗記をさせよう
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- 振り子を逆にふりすぎる愚を犯してはならない
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- 「総合的学習」とゆとり教育の関連―何が問題か
- 三つの問題点
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- 日本の教育課題に対応した質の高い内容を授業すべきである
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- 教師に余裕がなければ授業はうまくいかない
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- 教育ニュース・ズームアップ
- 1)文部科学省が学校選択制の実態を調査 2)日本青少年研究所が高校生意識調査(上)
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- 「授業批評の力」を鍛える (第3回)
- 教育学的ケアリング
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- 授業を変える学習集団づくり (第3回)
- 学習の集団的・社会的性格
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- 校長が学校を変える (第3回)
- 学校給食の「闇」
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- TOSS授業技量検定受検のドラマ (第3回)
- 五回のライセンス受検で、厳しい修業が「やみつき」に
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- 続・TOSS授業技量の検定 (第3回)
- 反響大、読売新聞特集での報道―教育系国立大学学長たちからの要請
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- なぜ検定外・算数教科書を創ったか (第3回)
- 低学年の子供は「抽象的思考に進入」し、展開図も創作する
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- 編集後記
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■編集後記
〇…中山成彬文部科学相は「ゆとり教育」を反省し、新学習指導要領の全体的な見直しを進める考えを表明したと去る十二月十五日の朝刊各紙は伝えました。それは十五日付けで発表された小・中学生を対象とした「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS二〇〇三)で中二理科が前回の四位から六位に低下、平均点も中二数学と小四の算数・理科で前回よりダウンするなど、小・中学生の基礎学力低下が明らかになったことを受けたものだ、と新聞は解説しています。歴代の大臣が学力低下を認めた上で、ゆとり教育の見直しを打ち出したのは初めて、と報道する新聞もありました。
〇…中山文科相が「ゆとり教育」見直しを打ち出した背景には、相次ぐ調査結果から学力面での国際的競争力の低下を懸念する声が許容を許さない段階になったとの強い危機感があるとの解説をする新聞もあります。
〇…では、日本の学校教育は、これからどう変わるのか、単なる学力向上への回帰という簡単な話ではすむまいと解説する識者もいます。つまり「ゆとり教育」に代わる新たな教育路線をどう模索するのかという実践課題でもあります。
〇…これまでにも「ゆとり教育」は世界中が国民教育のレベルを上げようとしているのに逆行しているのではないかとする批判が多く出ていました。文科省内からも「亡国教育論」として批判が出ていたこともありました。
〇…学力低下を批判する研究者の中からは、第一に根本的な解決策として「ゆとり教育」を正式に中止すべきだとする意見もあり、第二には総合的学習を任意化すべきだとの主張もあります。さらには関心・意欲・態度などを教科の評点とする絶対評価を是正すべきだとの意見も出ています。このような背景を基に、本号は「ゆとり教育見直し」の問題点を考えてみたいと思いました。
〈江部 満〉
〇…「あの人、美人だからあのポジションを得たので実力は…ねェ」というフレーズほど、大多数の負け犬?派女性が溜飲を下げる妙薬的セリフはない…。
ジャーナリストの櫻井よしこさんはまさにその典型!と思ってきました。現に、ハノイで生まれ、ハワイ大学卒のニュースキャスター、こう書き並べると、蝶よ花よと育てられたニックキイメージです。
しかし。
その割に?エイズでの追求、朝日新聞への批判の切り口など、お嬢様のイメージからは一皮むけたものを感じていました。
最近では、ゆとり教育(の元凶?)を文科省で積極的に旗振りされてきた、寺脇先生をデータをもとに問い詰め、いえ追い詰めた手腕はさすがでした。
どんな精神的遍歴があったのだろうと、「何があっても大丈夫」という自伝ともいえる新刊を読んで、なるほどそういうことなのかとウラをとった気分になりました。
〈樋口雅子〉
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- 明治図書