- 特集 「批判的読み」のスキルを育てる
- 提言・いまなぜ「批判的読み」が必要か
- 国際基準に合った「批判的読み」のスキル
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- 情報活用能力としての批判的読みの力
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- 「批判的読み」と“納得“
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- 巧妙な手口の嘘を見抜ける力の育成
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- 多様なコミュニケーションやメディアでの読書をささえる力に
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- 「批判的読み」これまでの理論・実践の特徴
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- 説明文教材で「批判的読み」のスキルを育てる
- 『いじわる読み』で批判的読みへ
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- 「批判的読み」とは、読者が認識の再生産をする読みである
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- 作文スキルを転用して批判的に読む
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- 批判的読みを支える三角ロジック
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- 文章構成の論理性を「批判読み」で
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- 文学教材で「批判的読み」のスキルを育てる
- 「題」を批判的に検討させよう
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- 授業を「発信的」な読みへ転換する
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- 「共通の認識のものさし」を討論によって身についたスキルとする
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- 具体的な言語技術教育がスキルを育てる
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- 文学の「主題」は誰でも読み取れる
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- テレビ・インターネット情報を批判的に読み取らせる
- 情報の裏付けをとらせよ
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- 仮想販売サイトを批判的に読む
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- 情報の信憑性を疑う
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- 「メディア情報実力ランキング表」をつくる
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- インターネットの情報を読むために
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- 総合的学習を国語学習で支える (第3回)
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- 「伝え合う力」を育てる教室 (第3回)
- 生きて働く言語の力を培う授業を目指して
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- 現場訪問 「『生きる力』を育む国語学習」最前線 (第39回)
- 言語の教育を軸に表現・行動力を育成
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- 編集部に届いた研究紀要・図書から
- 国語教育時評 (第3回)
- 学習指導と教育理念とがずれている
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- 書評
- 『メディアリテラシーを育てる』(水越敏行編著)
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- 『総合的な学習を支える教科の基礎・基本』(群馬大附属中学校教育研究会著)
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- 国語教育人物誌 (第123回)
- 徳島県
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- 香川県
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- 愛媛県
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- 高知県
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- 国語教師としての修業道 (第3回)
- 「言葉にこだわる」ことを趣味に
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- 総合的学習を支える国語科の基礎・基本 (第3回)
- コミュニケーションの「モデル学習」
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- 修辞学的論理学 (第3回)
- カンニング学生の開き直り
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- 中学校文学教材の新しい教え方 (第3回)
- 「読むこと」指導の問題と本来的な読みの方向
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- 「伝え合う力」を育てるために (第3回)
- 国語科の実践課題とは何か/国語科の学習成果とは何か
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- 情報活用能力の育て方 (第3回)
- 怠け者の情報活用法(2)
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- 〜これまでどおり教科書を生かしながら(2)〜
- 編集後記
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編集後記
○…学習者は教科書教材に対して常に受動的な読みの姿勢を取らされています。しかしそれだけでは文章に対して能動的、主体的に読み取っていく技能(スキル)は育たないと言われています。特に情報化社会にあっては、その知識・情報が根拠を持った正確なものかどうかなど、内容を吟味しながら読み取る力を育てることが強調された時がありました。三十数年前の「批判読み」の実践です。ところが国語教育の世界では、「批判」という言葉と概念を嫌うためか、その後の実践は広がらないままに今日に至っています。
○…いま「メディアリテラシー教育」が注目され、テレビ、ビデオ、インターネットから流される情報を批判的に読み取り、創造的に活用する授業に関心が集まりつつあります。しかし本誌の二月号で有元秀文氏が指摘されているように「欧米で育ったメディアリテラシー教育を日本で根付かせることは容易ではない。最大の障害は、日本の教育が『批判』を教えないことにある」ようです。欧米では批判的思考を必ず教える、と言われています。有元氏は「批判とはお互いに助け合い、もっと価値の高いものを創造するために不可欠のコミュニケーションである」とも言っています。
○…かつて輿水実氏は「批判的に読むスキル」を提唱し、言語の使い方、その意味内容についての鋭い分析の態度、方法が必要であるとし、文章で説かれている思想の正当性、この著者の考えは正当な根拠に立っているものかどうか、などを批判的に読むことを勧めていました。加えて戦後の国語教育は、技能養成の意識が弱かったと強調されていました。
○…本号は改めて「批判的読みのスキル」を実践レベルで考え直してみたいとする特集です。
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- 明治図書