- 特集 学級の「学力向上運動」を広げよう
- 提言・「学力向上」で学級担任に問われていること
- 「学力」とは何か
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- 評価活動で変わる「授業と学力」
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- 学力向上の三つの視点
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- 学力向上はシステムの問題である
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- 何がどれだけ向上したかを示す
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- 「学力向上」を学級の目標に―学級集団としての「学び」の成立を求めて
- 低学年
- 関わりとしつけで参加意欲を引き出す
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- もう拍手なんかは起こりません
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- 中学年
- 一人ひとりの力がクラスを高める
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- 学級目標に個人目標を付加する
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- 高学年
- 「指名なし発表」を目指して
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- 「目標」について考える
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- 中学生
- 学級で取り組む学力向上対策
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- 厳しくも温かい「裁き合いシステム」
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- 子どもたちは勉強のどこでつまずくか
- 算数のどこでつまずくか
- つまずきは、根元まで戻って研究を
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- つまずく子どもに限りなく優しい向山型算数
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- 国語のどこでつまずくか
- 音読と作文でつまずく
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- 「音読」と「漢字」でつまずくのだ
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- 勉強がわからない子・苦手な子―どう助言するか
- 試行錯誤の連続のなかで
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- 写すのもお勉強のうちです
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- 当たり前のことを指導する
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- 子どものやる気を引き出す授業づくりとは
- よい教材・発問で討論のできる授業づくりを
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- 必勝形態「クイズ方式」
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- 学級の「学力向上運動」の具体策はこれだ
- 一つでも取り組めるものからはじめよ
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- 基礎学力の実態調査で、全職員が危機意識を持つ
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- 総合学習として「自学」を
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- 高学年は、学年で「学力向上運動」を
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- 小特集1 二学期を見通した学級づくり
- 二学期の日記指導
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- 一学期の指導があって、二学期がある
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- イベントで教師の枠組みから解放する
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- やればできるという事実を創る
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- 生徒への声かけと当番活動の充実
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- 発言し、かかわり合う学級づくり
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- 小特集2 係活動を活性化させるプラン
- デジタルカメラで活動をより楽しく
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- 競争の原理を働かせ切磋琢磨させる
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- 夢をもたせ、活動させ、評価し、ほめよ
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- 廊下の掲示板を係活動に提供する
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- 報告・確認・まとめのゲームで活性化させる
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- 当番活動と係活動
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- 生き生き学級活動
- 英語、基礎学力、裏文化
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- 学級集団への励ましの言葉
- みんなの聞き方は創作家だね
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- 学級の集団機能をどう立て直すか/小学校 (第6回)
- 学級の集団維持システムを創る@
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- 学級の集団機能をどう立て直すか/中学校 (第6回)
- 「気概」と「誇り」が生き方を支える
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- 子どもが熱中する「学習システム」 (第6回)
- 学級会のシステムと向山式社会科授業「再現する学習システム」
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- サークル自慢 (第6回)
- 学び合い、磨き合う「気仙沼BOA」
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- 研究集団ことのは
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- 学級の人権総合学習 (第6回)
- セルフ・イメージをどう育てるか
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- 学級の裏文化 (第6回)
- 裏文化は知性に支えられ
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- 学級の社会学 (第6回)
- 問題行動に対する保護者と教師のズレ
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- 編集後記
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編集後記
〇…「相対評価」から「絶対評価」への転換が大きな反響を呼んでいます。
例えば、坂本昇一氏(千葉大名誉教授)は、「評価観転換のみでは学力保障にならない」として次のように述べています。戦前の昭和十年ごろまでは、義務教育では絶対評価の「甲・乙・丙」であり、中学校では学校によって異なっていたがやはり絶対評価の「秀・優・良・可」であった。戦後は絶対評価には教師の主観が入りやすいということで、相対評価に変わった。
〇…わが国の評価の「あゆみ」からいえば、実際上は必ずしもすべての子どもの学力を保障するものとはなっていなかった。絶対評価で「可」とか「丙」とか下位の評価を受けた子どもは、目標とした学力への到達には大きなへだたりがある状況だが、しかし、その後の対応は全くなかった。坂本氏の提言は、「考え方としては、すべての子どもに学力を保障するという評価観でも、それを機能させるのは、教師サイドである」ということです。
〇…今や学力向上の具体策が求められているわけですが、「絶対評価」の到達基準をどう作るか、その結果に基づく評価結果を授業改善にどう反映していくかなど問題が山積しています。これまでの「関心・意欲・態度」を無理矢理に評価しようとして「授業中の挙手や発言の回数」を数え上げた結果に終わらないようにと忠告する研究者もいます。
〇…いずれにせよ「学力向上策」が学級担任に問われているわけです。そのためには今まで以上に、学級集団による「学び」の場が重要な位置を占めてきます。学び合い、高め合っていくための大切さが改めて問われているといえます。さらには子ども一人一人の「学び」の成立を読み取る学習過程の評価と授業改善が問われているわけです。本号は学力向上について「集団としての学び」に重点を置いた特集です。
(江部)
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