- 特集 “読み取り力”が深まる教材研究の着眼点
- 読む・読み取る・読解=定義と使い分けヒント
- ことばと向き合うということ
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- 読む・読み取る・読解≒「PISA型読解力」である
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- 読む・読解・読書・読み取る
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- 読み取り力を深める教材研究と授業の構想
- 子どもの実態を把握するQのポイント
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- 教科書の目次・題名に着目させるポイント
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- 教科書の挿絵・資料に着目させるポイント
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- アンダーラインをどう引かせるかポイント
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- 文章の大意を概観させるポイント
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- 形式段落をはじめ・なか・まとめに分けるポイント
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- 問いの段落と答えの段落を見つけるポイント
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- 読み取り情報の取り出しとまとめポイント
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- 文章を批判させるポイント
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- 教材研究で配慮する読み取り指導のポイント
- まとまりを考えながら読み取らせるためのポイント
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- 述べ方や工夫を読み取らせるためのポイント
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- 考えを読み取らせるためのポイント
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- 詳しく読み取らせるためのポイント
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- 〈実録=現場と大学のコラボ〉読み取り力をつける教材研究の極意
- 経験発表と辞書引きで終わる“確認型読み取り”を“思考型読み取り”へと変える
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- 【実録】を読んで=200字ツイッター
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- 読み取り力の4要素=どこでどう指導するか
- 教材の特徴を生かした読みの基本的学力の効果的指導
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- “文学作品”の読み取り力を深める教材研究の着眼点
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- “説明文”の読み取り力を深める教材研究の着眼点
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- 一歩踏み込んだ教材研究と発問の開発
- 書いていないことを読み取らせる発問の開発
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- 知識と経験だけで乗り切れない問題と発問の開発
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- 知っているつもりになる教材のゆさぶり発問の開発
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- 指導計画から抽出する発問の開発
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- 気づかせたいことを発問にしないアプローチ法
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- 子どもの思考に負荷をかける発問の開発
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- 省略されている内容を推論させる発問の開発
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- 文章のウラの隠された意図を考える発問の開発
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- 情報の分析・総合で働く論理的思考と発問の開発
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- 新視点からの情報を予測する発問の開発
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- まとめ段落の文末に着眼する発問の開発
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- 読み取り力を深める“こんな試み・あんな試み”アイデア
- 絵に描かせる試みを取り入れる試み
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- 箇条書きにしてみる試み
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- 文図・ベン図・構造図を使う試み
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- 段落の並び替えで鍛える試み
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- 〈読み取り力をつけるフレームワーク〉を追試して
- 『「10」のものさし』の追試 矛盾から読み取る
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- フレームワークを使用して教材の特性を知り、授業をデザインする
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- あの人の教材研究・実物ノートの紹介
- 向山洋一氏の「走り書きメモ」から授業プランを推定する
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- 白石範孝氏の構造をおさえた芸術的教材研究ノート
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- 岩下修氏のノートは、量も質もすごい!
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- 小特集 児童生徒におくる―私の“暑中はがき”
- 楽しい暑中見舞いで子どもとはがきの交流をする
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- 事前に郵便テキストで書き方を指導しておくことが大事である
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- 俳句の創作学習をつなげる暑中はがき
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- 「自分の思い」を言葉に乗せて
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- 通じ合いのための「てがみことば」
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- 「暑中はがきで間違い探し」〜クイズで楽しく学ぶ暑中見舞い〜
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- わがクラスの子ども自慢・作品自慢 (第5回)
- 1年生の絵日記:「自分のことみんなに知ってもらいたい!」
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- 言葉の四季カレンダー (第5回)
- 【8月】日本の夏お盆・ひっそりと秋が来る
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- わがクラス:辞書づくりに挑む (第5回)
- 辞書にない言葉を考えよう
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- 学級文庫のベストセラー&ロングセラー本―私のアニマシオン活動 (第5回)
- 読んでみなくなるきっかけをつくる
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- 今月の教材―授業づくりのスポット 国語教材と授業づくり (第5回)
- 小学1年/挿絵と言葉にこだわり登場人物の心情を読み取ろう
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- 〜ゆうだち(光村)〜
- 小学2年/「順序」を観点に、論理的に読む
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- 〜どうぶつ園のじゅうい(光村)〜
- 小学3年/読書ハガキを書かせよう
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- 〜本は友だち(光村)〜
- 小学4年/教室を巻き込み一気に授業モードにする
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- 〜漢字スキル・「忘れ物」(光村)〜
- 小学5年/教材の特性と人物の心情の変化を分析する
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- 〜大造じいさんとガン(教出)(光村)〜
- 小学6年/「筆者の主張」と「自分の考え」をリンク!
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- 〜平和のとりでを築く(光村)〜
- 中学1年/要約指導で「大事な文」をどのように確定するか
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- 〜ダイコンは大きな根?(光村)〜
- 中学2年/夏休みの課題に最適 暑中見舞いを出そう
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- 〜読書案内(光村)〜
- 中学3年/手紙の書き方を習得させる
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- 〜手紙の書き方〜
- ことばを学ぶ・ことばを教える (第5回)
- 誤解を生まないようにするには
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- 驚く効果!子どもに読解の型をこう教える (第5回)
- 「くらべる力」を高める(1)
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- 「考える」国語の“非連続型テキスト”活用術 (第5回)
- 文章と資料とを対応させて読む
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- 今日から始める中学校国語科帯単元学習 (第5回)
- 授業を日常につなげたいシリーズ「突然ですが」
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- 教室を言葉道場にしよう (第5回)
- 夏休み!言葉道場 “場外(家庭学習)”メニュー
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- 小学校 国語実践研究の最前線&レア情報 (第17回)
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- 中学校 国語実践研究の最前線 (第17回)
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- わが県の国語ソムリエ (第16回)
- 長野県
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- 鹿児島県
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- 編集後記
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- 漢字お宝話 (第5回)
- 感じる漢字/「3000年前の漢字の形」,「漢字お宝話」〜「家」はとても神聖な場所〜
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編集後記
○…「たんぽぽは じょうぶな 草です。はが ふまれたり、つみとられたり しても、また 生えて きます。ねが 生きて いて 新しい はをつくり出すのです。」
小学2年の「たんぽぽ」という教材の一節です。
「この文のじょうぶ≠フ意味は何ですか?」
辞書には、@達者・健康 Aこわれにくい・じょうぶなつくり が出ているそうだ。
この文にある「じょうぶ」は、@とAのどちらの意味か。
ぱっと見てAだろうと見当がつくものの、文脈上の意味からは遠い。
N先生は、文中で使われている「じょうぶ」の意味を文脈上からこう定めた。
〈自己再生〉
この文で使われている「じょうぶ」は、「こわれにくい」とか、「じょうぶなつくり」などの意味ではなく、「再生能力がある」ことなのだ。
文章にそう書いてある。
「はが ふまれたり、つみとられたり しても、また 生えて きます。ねが 生きて いて 新しい はをつくり出すのです。」
このように、教材文「たんぽぽ」に出てくる「じょうぶ」は、その後の文から逆に考えて意味を理解する言葉なのである。
長い引用になりました。ある内留での研究をまとめた冊子からの引用です。
これを読んだ時、〈教材文に出てくる言葉を、片っぱしから辞書引きさせるだけでは、読み取り力をつける手段として、万全ではないのだ〉ということをつきつけられた気がしました。
勿論、所謂、行間を読むというようなことではないわけですが、文章を構成している言葉を手掛かりにしているだけでは読み取れないところを探るのが国語授業なのか―に思い至りました。研究紀要には、
「この言葉を理解できた子どもは、“たんぽぽってすごい植物だ≠ニいう驚きと感動を得る。これが論理的思考を使って文章を読む、なのである。実に奥が深い話である」
とあります。
本号は、このような論理的思考を働かせて奥深い読み取り力をつけるためには、教材研究の過程で、どこに目をつけていけばよいのか―さまざまな視点から解明していただきました。
(樋口 雅子)
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- 明治図書