- 大前暁政の“欲ばり”時間術
- 教師力・仕事術
保護者は、貴重な時間を割いて学級懇談に来てくれています。満足度の高い懇談にするには、どう運営するのかに加えて、時間の使い方にも気を配らなくてはなりません。
保護者の時間を大切にする
学級懇談の前には、多くの場合、参観授業があるはずです。
このときに、今日の懇談のプログラムと懇談の資料を置いておくようにします。
そうすれば、どうしても都合が悪くて学級懇談には参加できない保護者が資料だけを持ち帰ることができます。また、プログラムがあれば、保護者自身が大切だと考えている時間帯だけ参加することができます。
小さい兄弟姉妹を連れている保護者もいます。
他学年に兄弟姉妹がいる保護者もいます。
大切なのは、保護者自身に時間の使い方を選択してもらうことです。
私は、さらなる工夫として、懇談の最初に一番伝えたい情報をもってくるようにしていました。例えば、「最近の学級の様子」「子育てで大切にしたいことなどの様々な教育情報」などです。
ちなみに、「連絡事項」はプリントにまとめておきます。それを読めば済むようにしておくためです。
説明は短くします。書いてあることをそのまま読むことはしません。短く概要を説明して終わりです。これで連絡事項に時間をとられずに済みます。
最近の学級の様子は、写真やビデオで知らせることもあります。教師にとっては毎日の光景であっても、それを目にする機会がない保護者にとって、教室内の様子や子どもたちががんばる様子などは、最も知りたいことの1つです。
情報交換も時間を限定して行う
伝えたい情報を伝えたら、懇談の後半は、教師と保護者の情報交換に使います。
情報交換では、「携帯電話の使用について」とか、「思春期の子どもとの接し方について」など、様々なテーマを設定することもありました。
保護者同士で考えを交流してもらいつつ、教師もまた考えを述べます。これもダラダラと時間をかけることはありません。「◯時まで意見交換をします」などと最初に時間を限定しておきます。こうして、懇談会を少し早めに終わります。
「教室に残っていますので、何かありましたら、お伝えください」とつけ加えます。そうして、教師と個別に話をしたい保護者だけに残ってもらうのです。
このように、懇談は計画的に進めてさっと終わるのが一番喜ばれます。一番ダメなのが、無計画、保護者任せ、有益な情報が何もないといった、無内容の懇談をすることです。これは相手の時間を不当に奪う「時間ドロボー」で、保護者の信頼を失うことになりかねません。
また、懇談で質問や要望が保護者からたくさん噴出するのも問題です。日頃から保護者に子どものがんばりを伝え、学級通信でも学級の様子や教育活動の趣意を紹介しておきたいものです。
学級懇談では、有益な情報を短い時間でさっと伝えるようにしたい。ダラダラおしゃべりをするぐらいなら、さっと終わって、後は個別に対応する方がよい。