新年を迎え、新たな気持ちでやる気が感じられる1月。この時期は、子どもたち一人一人が冬休み中に体験してきたことを生かして、新たな気持ちで頑張ろうという意識をもったり、2学期に積み残した課題をやり遂げようとする意欲をもったりする節目の時期でもあります。
子ども個々のやる気をしっかり自覚させること、そのやる気をどのように集団へ反映させていくかという方向性をもたせるために、学級の中での自分の存在感や所属感を確認させることが課題になると思います。
“協力”の仕方を意識のズレから学ぶ
1ねらい【中学年の学級活動】
友達との“協力”について出来ている時とそうでない時の場面を確認し、なぜ協力出来ないかを振り返り、意識のズレを修正する方法をみんなで考えて実践意欲を持つことが出来る(掃除場面を例に)。
2活動T 「清掃場面でのトラブルの確認」
問題の意識化
- ふだんの生活の中で「友達と協力できないことで起こるトラブル」があることを振り返る。《例 係活動や集会活動は協力できるが掃除当番は出来ない等》
※掃除当番でのエピソードの例@いつも遅れてくる。Aほうきばかりやろうとして雑巾の担当をやりたがらない。等
掃除当番のリーダーBとメンバーA、C、Dになって「掃除当番」をテーマにシナリオロールプレイする。
- 《状況設定のシナリオ例》「Aさんは、いつも掃除の時に遅れてくる。たまりかねたリーダーのBさんは、「いい加減にしろ、もう掃除はしなくていいから見ていて。」と言って突然怒り出した。
※A掃除に遅れてくる…掃除の途中でトイレに行かないように、先にトイレに行ってから掃除を始めたい。
Bリーダー役…全員がそろってから掃除をしっかりやらせたい。
Cメンバー@…リーダーの気持ちに共感している。
DメンバーA…A・B二人の気持ちを知っている。
- ロールプレイの様子から、気づいたことや感じたことを発表する。(ロールプレイして、ロールプレイを見て。)
3振り返りT 「解決方法の自己決定」
@掃除当番でのトラブル場面のロールプレイから、Bリーダー役の立場で、相手に分かりやすく気持ちを伝えるにはどのようにしたらよいかの視点で、気づいたこと、感じたこと、提案したいこと等を振り返り発表する。
- 《例 1:しかって守らせる。 2:そのまま黙っている。 3:理由を聞いて、みんなでよい方法を選ばせる。 4:先生に相談する。》
A出されたことを元に、自分だったらどのように断るかを自己決定する。
4 活動U 「決定に基づき努力をする」
振り返り(自己決定したこと)を元に、「自分もよく相手も良い解決の方法」を確認し、ロールプレイする。
基本的には「3」の方法で主張的に相手に気持ちを伝える方法がよいことを確認する。学年の実態や発達課題等により、「相手も尊重しながらも自分の気持ちを分かりやすく伝えるスキル」に結びつけていくとよい。
5 振り返りU
「トラブル解決」のためのポイントを元に、やった活動Uが活動Tとどのように違っていたか、話し合いで出た気づきや感想、実感したことを発表しあう。
今回の「トラブル解決」は、解決方法の自己決定→決定に基づき努力しようとする一連の指導過程を重視し、われわれのルールを意識づけるよいサンプルになります。中学年を意識していますが、活動Tの条件を単純にしたり、複雑にするなどして低・高学年でも実施できる内容であると思います。
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- ito
- 2013/2/8 19:16:11
名古屋のitoです。名古屋のセミナーにいらっしゃったのですね。参加できなくて残念です。ぜひまた来て下さい。次回は参加します。 -
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- ゆめ
- 2013/2/17 13:01:10
千葉のゆめです。この前のセミナーではお世話になりました。本でもいろいろ学ばせていただきます。