著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教科書研究とスモールステップの指導で、算数のつまずきを撃退!
北海道洞爺湖町立とうや小学校教諭赤塚 邦彦
2012/9/28 掲載

赤塚 邦彦あかつか くにひこ

1979年北海道生まれ。2002年3月北海道教育大学岩見沢校卒業。現在、北海道洞爺湖町立とうや小学校教諭。法則化アツマロウ代表。
編著書に、『若いあなたがカスタマイズ出来る!2 向山型スキル・算数の授業パーツ100選』(2011年、明治図書)。

―本書のテーマでもある、算数の学習におけるつまずきについてですが、子どもがつまずきそうな箇所を見極めるポイントを教えてください。

 子どものつまずきを見つける第一歩は、教師による教科書(教材)研究です。教科書研究と言っても、難しいことをするわけではありません。何をするのかというと、「子どもが書くのと同じようにノートを書いてみる」のです。そうすると、自分が考える授業の流れ、教科書の流れの中で引っかかるところが出てきます。そここそが、子どもがつまずきそうな箇所です。私はそのようにして見極めています。

―本書のもう1つのテーマであるスモールステップの指導についてですが、本書には、「逐一指導」とスモールステップの指導は違う、と書かれています。両者の違いについて具体的に教えてください。

 「逐一指導」とは、一つひとつのことを“噛んで含める”ように指導することです。一方、本書で紹介しているスモールステップの指導は、「基本型」はしっかりと指導しつつも、「あとは自分でやってごらん」と子ども自身に挑戦させることを目指すものです。この方法なら、算数が苦手な子、算数が得意な子、どちらも熱中する授業ができます。

―本書の中で赤塚先生は、「できたらほめる」ことの大切さについて触れられています。特に算数が苦手な子どもに対しては、どのようなことを、どのようにほめてあげればよいのでしょうか。

 当たり前のことですが、算数の授業では教科書を使います。例えば、授業の中で「教科書の○ページを開いてごらん」と指示します。しかし、算数や勉強が苦手な子は、このような勉強以前のことからできないことが多くはないでしょうか? ですから、「○○君、もう教科書開いたんだね、すごいっ!」と、このような当たり前と思えるようなことをほめていきます。そうすると、子どももどんどんのってきます。つまり、だれでもできることを指示し、そのことをほめ、授業に巻き込んでいくという感じです。

―最後に、読者の先生方にメッセージをお願いします。

 子どものつまずきを子どものせいにしてしまったら、そこでおしまいです。子どものつまずきは、教師の指導力を向上させることで、未然に防いだり、なくしたりすることができると認識することがスタートだと思います。私自身、月刊誌『向山型算数教え方教室』を読んだり、全国各地で開かれている向山型算数セミナーに参加したり、毎月サークルで模擬授業をしたりする中で、日々それを実感しています。これからも、そのような努力を続けていきたいと思います。

(構成:矢口)
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