領域とは「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域のことを指します。これらを組み合わせて指導することです。って、それだけではわからないですよね(笑)。
教科書のめあてを見てみると「読むこと」の教材であってもたいてい「読んで〜する」となっています。学習指導要領でも、領域を関連付けて指導することになっています。
大人の言語生活を振り返ってみても、書くときにはインプットである読むことが欠かせないですし、話したり聞いたりする内容によって参考にする文章も変えているでしょう。「領域組み合わせ」の指導は、大人になってからも役立つ言葉の力をつけるための方法なのです。
領域組み合わせは、組み合わせる領域を決めることで、読むことの目的をはっきりさせることができるという利点があります。指導する点も明確になります。漫然と「しっかり」「深く」読ませることから、卒業できます。
教材が増えて、授業の時間が足りないという声もよく聞きます。やってもやっても、教科書が終わらない…。でも、領域を組み合わせることで、「読むこと」の教材で「話すこと・聞くこと」や「書くこと」の指導も同時に行うことができます。詳しくは本書をご覧ください。
浜松市立積志小学校は、全国小学校国語教育研究大会の会場校になったことがきっかけで、若手からベテランまで、学校をあげて研修に熱心に取り組んでこられた結果、これだけの実践が蓄積されました。本書の事例は、実際の授業実践を報告したものです。
この本の中には先生方の工夫とその結果…ワークシートや、子どもたちに示した言語活動の例、単元が進むにつれて成長していく掲示、子どもたちの声などがたくさん紹介されています。子どもたちだけでなく、先生方も楽しんで、国語の実践をしている学校です。
「国語が苦手」という先生にこそ読んでいただきたい本です。はじめは、自分が指導している学年の実践を参考にしてみてください。その次に、領域を組み合わせる技を他学年の実践からも学んでください。最後には、小学校6年間の実践を通して読んで、言葉の力を育てるために各学年でどのような指導をしたらよいか、考えてみてください。
理屈やスローガンから出発する国語教育ではなく、「子どもの実態と教材から出発する領域組み合わせの指導」で、先生にとっても国語を得意科目にしてください。
領域組み合わせでは旧態の目標の取り方と変わらないではないでしょうか。
どこが新しいのかよくわかりません。