- 著者インタビュー
- 算数・数学
小学校の学習で、子どもたちがつまずくのは「割合」の学習です。割合の概念は抽象的で理解しにくいからです。このことは、毎年出題される全国学力調査における割合の問題の正答率が悪いことからも分かります。「割合」の授業を改善することが、算数を「分かる」「楽しい」ものに変える第1歩だと考えたからです。
問題に出合うと、自ら既習問題との違いを明らかにし、解法に向かうために、相談や話し合いが活発になります。分からない友だちに関わり、図や言葉を用いて自分たちで説明し合い、理解を深める授業になります。
成功の秘訣10個はどれもとても大切だと思います。これは一つひとつがばらばらではなく関連して単元構想をする必要があるからです。それでも特に重要なものを挙げるとすれば、「割合の概念モデルをもたせる」ということです。割合の意味理解をしっかりさせることで、自分で間違いに気づく力をつけることにもつながります。
2つ目は「くらべる量を求める問題から始め、もとにする量×割合=くらべる量の公式を使って考えることができるように指導する」ことです。
ワークシートには問題文がかかれ、図と式がセットになるように作られています。割合は、もとにする量を見つけることが大切ですから、問題文のもとにする量を囲ませた後に図をかき、問題文と図があっているかを確かめるように指導するといいです。ワークシートは、ノートに貼らせ、学習の足跡を残すようにします。
「割合の勉強は楽しい!」「図を使えば簡単だ!」「友だちと学ぶから分かる!」と子どもたちの目が輝く時間になるように、クラスの仲間と学び合い、ともに伸びていく喜びを子どもたち自身が実感できるように、本書を役立てていただければ幸いです。