- 著者インタビュー
- 特別支援教育
障害をもつ子が一人ひとりに合わせて学習できる場として1990年にボランティア的な活動から始め、1996年から「学習塾」になりました。現在、2歳〜社会人まで1360人(7教室合計/2014年8月現在)が通室し、個別学習とソーシャル・スキル・トレーニング(SST)に取り組んでいます。
生徒は、小さい頃から診断を受けていてゆっくり発達する子、通常学級に在籍しているが勉強やSST面で支援が必要な子、勉強はよくできるがSST面の課題が大きい子、など様々です。幼児期から社会人まで長期的に通う生徒も多いことが特色のひとつです。生徒一人ひとりが前向きな気持ちで自立して生きていくための「道標」になることが教室の理念でもあります。
発達障害があるということは本人しかわからない大変さもありますが、自分の個性や特性とうまく付き合って、多くの人と関わりながら幸せに生きてほしいと思います。そして、一生懸命学んだという経験を、子どもたちの将来に役立ててほしいと願っています。学習経験を実生活に生かすことができるよう応援していきたいと思います。
先生や周囲のサポートも得ながら、子どもたち自身が「自分のできることを精一杯頑張る」体験を積み重ねていくことが大切だと思います。そのために、子どもの特性や発達段階に合わせたわかりやすい教材は重要ですが、何より指導者が目の前にいる子どもと一緒に頑張る気持ちを持ち続け、創意工夫していくことが大切だと思います。
「言葉を理解する力」「言葉で表現する力」「概念を理解してイメージする力」に関係する単元でつまずく子は多いと思います。例えば文章問題に書かれている状況をイラストに書いてあげるなど、言葉だけでわからないことを絵や図に表したり、日常生活の中の体験と結びつけたりしながら具体的に説明し、「答え」につながるプロセスを見える形にしてあげることがポイントだと思います。
私の教室には「勉強は苦手だけれど、先生や友達に会いたいから学校へ行く」という子も多く、学校という場所は子どもたちにとって本当に大切な場所だと感じています。学校の先生方からは「支援を必要としている子どもたちのためにもっと何かしてあげたいけれど、現状の学校生活の中では時間がなくて…」というお話をよく伺います。私たちがさくらんぼ教室の生徒たちと一緒に学びながら作ってきたワークが、子どもたちを支えていらっしゃる先生方の「もっと何かしてあげたい」を形にする小さなヒントになれば幸いです。
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