著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教師が理科好きになることが、生徒の学力を向上させる第一歩!
平成28年度 愛媛県八幡浜市立青石中学校教頭三好 美覚
2017/7/14 掲載
 今回は三好美覚先生に、新刊『中学校理科サポートBOOKS 使える!楽しい! 中学校理科授業のネタ100』について伺いました。

三好 美覚 みよし よしあき

1963年12月 愛媛県生まれ
1989年3月 工学院大学大学院工学研究科工業化学科修士課程修了
1990年4月 愛媛県内の公立中学校に教諭として勤務
2010年4月 愛媛県教育委員会南予教育事務所教育指導課指導主事
2014年4月〜2017年3月閉校の八幡浜市立青石中学校に教頭として勤務

―まずは本書の構成について、簡単にご紹介ください。

 本書では、第1章に生徒を理科好きにするための授業づくりのポイントを10個あげました。それを押さえたうえで、第2章のネタをうまく活用して感動の授業をつくり上げていくという構成です。第2章では、各学年のネタ全100を説明ネタ、疑問ネタ、教具ネタ、実験ネタ、展示ネタなどに分け、理科好きな生徒を育てたり、生徒自ら考える授業をしたりするために必要なネタが気軽に取り入れられるようにまとめました。

―本書では、生徒が理科好きになるような多数のネタをご紹介いただきましたが、ネタづくりの「秘訣」がありましたら、ぜひお教えください。

 最近は、インターネットでも理科ネタを収集することは可能です。ですが、本当に役立つ情報は、書籍や論文にあると思っています。ですから、本を買って学ぶことではないかと思います。そして、本以上に大切なのは、人と会うことです。サークルなどで自主的な勉強会を開いている教師もいます。そんな方と会ったりして、直接話を聞くことが、ネタを増やす一番のコツだと思います。地元の大学主催の会に出席するのもおすすめです。

―「ネタを知っているだけではダメ」と本書でもおっしゃっていますが、本書に載っているネタを、実際にどのように活用すればよいか、具体例を交えてお教えいただけますでしょうか。

 例えば、本書の表紙でも紹介している声でロウソクの火を消す実験は、テレビなどでも紹介されています。知っているという方も多いと思います。でも、実際にやってみると、なかなかうまくいかないのです。教師自身が試行錯誤して、実感する。そして、それを授業のどの場面でどう使うのが目の前の生徒にとって効果的かを考える。演示をするなら、どのような説明をするのか具体的にセリフを考える。そして、授業で取り入れてみて、改善案を記録しておく。そんな使い方が大切だと思います。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 生徒の理科の学力を向上させるには、まず、生徒を理科好きにすることが大切だと私は思います。そのためには、私たち教師がまず、理科が好きであることです。理科が本当に好きだという教師のオーラは、言葉にして出さなくても、生徒たちには自然と伝染していきます。生徒に届くのは、教師のワクワク感だと思うのです。ともに学び続け、生徒とともに成長する教師でいられるようがんばりましょう。    

(構成:赤木)
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2017/7/17 20:45:23
     私が日々の理科授業で心掛けていること、それは「できるだけ毎時間、実験や観察を取り入れること、できない場合には草木1本でも理科室に持ち込み、授業を行うこと」です。やはり具体物がある授業と、教科書の写真や教師の話に頼る授業では、学習後の子どもの印象は大きく変わります。
     この「中学校理科 授業のネタ100」には、これまで実験や観察がなかなかできなかった分野の具体的な方法が書かれており、大いに参考になりました。もちろん授業ネタの紹介にとどまらず、何を、どのように学ぶかが明確に書かれているだけに、明日からの理科授業に早速取り入れたいと思いました。
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