- 著者インタビュー
- 特別支援教育
特別支援教育とは子どもの実態を把握することから始まります。実態把握とは障害を見つけることではなく、子どもを見る視点をたくさん持つことです。教師は子どもの実態把握の前に「○○法」といった「HOW to」にすぐに頼ってしまう傾向があります。その前に「子どもが何に(WHAT)困っていて、それはなぜ(WHY)困っているのか、だからこんな方法が必要なんだ」というプロセスが必要です。子どもを指導するためには、的確な実態把握に基づいた指導の方策が大切になります。
ここでは全国の中学校で指導され、不登校や学級の荒れを未然防止し、学力やスポーツ指導の向上を実際に指導、経験されている先生方の取り組みを紹介しています。通常学級の授業や通級指導教室での指導で少し工夫をすることで、子どもたちの「わかった」「楽しい」を引き出すことができます。困った子⇒個別指導という考えではなく、教師側の考え方や視点を変えることで、少しでも多くの子どもたちの困り感を救うことができます。そのための参考になる実践例をたくさん掲載しています。
今まで、中学校では教科指導、生徒指導といった視点で子どもたちの指導が行われてきました。特別支援教育が始まってから15年が経過していますが、その考え方はほとんど変わっていません。子どもたちの困っているところに少し目をやると、頭ごなしに叱ったり、指導したりすることはなくなります。本書で紹介している兵庫県内の中学校での取り組みは、子どもの的確な実態把握、困り感の発見、目標設定、指導内容の決定、実践、振り返りをすべての教職員が協働して行っています。子どもを見る力をつけていきましょう。そこが教育の始まりです。
子どもをどう「みる」かが大切です。子どもを「みる」ためには、「からだ」「認知」「発達」「こころ」「教科」「自立活動」「生育歴」「学習歴」等々たくさんの視点が必要になります。中学校だけに限らず、子どもにかかわる人たちは、情報収集と研究、振り返りが必要になります。ゴールはありません。これでいいと思わず、「なぜ」「とうしたら」を常に考えながら実践していただければと思います。
皆さんが考え方を変え、小さな一歩を踏み出すことで、たくさんの子どもたちの笑顔が生まれます。
-
読めた!書けた!1年生の<教科書の漢字>学び支援!
-
「わくわく」「うきうき」が「できた!」につながるプリント集
-
どの子もできた!につながる教材のユニバーサルデザイン!