11日の朝日新聞は、パソコンのキーボードはばい菌だらけという英国の消費者情報誌が行った調査結果を伝えている。パソコンのキーボードが普通のトイレの便座より不潔なものもあったという。

　調査は33台のキーボードと、トイレの便座、トイレのドアの取っ手で行われた。キーボードのうち2台から「警告レベル」の黄色ブドウ球菌が検出され、2台から大腸菌やサルモネラ菌の仲間が多量に見つかったとのこと。

　原因は、キーボードの前でとった食事のかすが菌の栄養源になったり、トイレに行って手を洗わずにキーボードをさわったりすることで、ほこりも空気中の水分を吸って菌が繁殖しやすい環境をつくるという。

　財団法人食品分析開発センターサナテックによると、サルモネラ菌は肉類・卵製品から検出されやすく、黄色ブドウ球菌はおにぎり・サンドイッチ・ケーキ・握り寿司から検出されやすいとのこと。両者とも食中毒になりやすい細菌で、嘔吐や下痢を引き起こす。パソコンを前にして食べる頻度が多そうな食品が菌の元とは、皮肉である。

　対策はキーボードの掃除。キーボードにはほこりや食べかすがたまりやすい。エアダスターは手軽な掃除グッズだ。キーボードカバーは、隙間にほこりや食べかすが入るのを防ぐ。また、定期的に掃除・消毒を行ってくれる電話機・パソコン周辺機器清掃消毒会社もある。
　キーボードだけでなく、電話やマウスも掃除したほうがよさそうだ。

　先生方の机にパソコンが置いてある光景が普通になった。給食指導がない場合、ランチルームでもないかぎり職員室で昼食をすることになるだろう。机の整理整頓すら時間がとれない先生も多いと思うが、食中毒になってしまえばますます非効率。学校に限ったことではないが、手洗い・うがいとマメな掃除、是非行っていただきたい。