- きょういくじん会議

クリスマスが終われば今年もあと1週間足らず。皆さん、新しい年を迎える準備はできていますか?お正月の遊びの定番と言えば、こま回しに羽つき、そしてかるた遊びもポピュラーですよね。お正月は故郷で過ごすという方も多いと思いますが、故郷の名産品や名所、そして方言にどっぷり浸かれる郷土かるたが今、ブームになっているようです。
郷土かるたと言えば、きょういくじん会議の記事でも取り上げた「上毛かるた」は群馬県の名所、特産品を詠んだ札からなる1947年に作られた歴史あるかるたですが、最近では、方言を取り入れたかるたが多く発売されています。同じ北関東でも栃木県では、栃木県出身のお笑いコンビU字工事が首を詠みあげるCD付きの「U字工事の大好きとちぎかるた」が地元で大人気の様子。初版2万セットが完売間近ということです。
このように町おこしのために地方のテレビ局等が発行する事例も増えており、今年に入って方言を取り入れた郷土かるたの発行は前年比2倍の8社に増えたそう。特徴ある方言を使ったかるた、皆さんは次の札がどこの県のかるたでどんな意味か分かりますか?
「おっちゃんこしてるおんちゃん。ちゃんこかったのに、おがったねぇ。」
は、『北海道方言かるた』にある札。標準語では、「座っている弟。小さかったのに大きくなったねぇ」
「なんぼゆーたちひーといもありゃーできらーね」
は、『土佐弁かるた』にある札。標準語では、「いくらなんでも一日もあればできますよ。」
このように方言や地元の名所等を次世代に伝えていくためにも郷土かるたは一役買っていますが、実際に使われる場面がなければ、一時的なブームに終わってしまい、長く愛されていくとは言えないかもしれません。日本郷土かるた研究会が調査した県大会の開催ランキングで堂々の一位を誇る上毛かるたは、さいたま郷土かるたの26回、房総子どもかるたの20回を大きく上回る61回も開催されているということ。(すべて平成20年調査)60年以上も使い続けられていくためには、学校教育に取り入れたり、競技会を開催するなど地域の努力があってこそのようです。
町おこしだけでなく、子ども達が自分の住んでいる場所や方言に誇りを持つためにも役立ちそうな郷土かるた。百人一首を授業に取り入れている学校も多いと思いますが、郷土かるたを学校教育に取り入れて、そこに見える地域の文化や歴史、自然を教えていくこともできるかもしれないと思いました。