きょういくじん会議
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小テストは受け手のためでもある! 記憶力向上の理由
kyoikujin
2010/11/2 掲載

 「テスト」と名のつくものは、内容にかかわらずその響きだけでもちょっといやだなと思う人が多いのではないでしょうか?
 でも、本番のテストの前に行う小テストは、記憶力の向上を高め、本番でよりよい点数をマークすることに一役買っているそうです!
 テストをするときの「えー!」という子どもたちの声に対抗する、いいお話かもしれません。

なぜ小テストで記憶力が向上するのか

 10月15日に報告された、科学誌サイエンスの研究成果速報の中に興味深い記事がありました。

 小テストは単に個人の記憶力を示すだけではなく、記憶力を実際に向上させている。その主な理由として、単に学習しているときよりもテストを受けているときの方がより効果的なヒントを思いつくことが挙げられる。(全文はこちらから)

 アメリカのケント州立大学の准教授らは、100人を超える学生にスワヒリ語の単語テストを行う実験をし、上の結果を導き出したそうです。この実験では、事前に小テストしたグループは、そうでないグループに比べなんと最大で2倍も正答率が高かったとか。
 このヒントはどういったものかというと、例えばスワヒリ語の雲「wingu」を英語で覚える場合、「wingu-wing(翼)-(空)-cloud(雲)」と連想させて覚えるといったものです。
 このような覚え方は受験をしてきた人であれば一度は聞いたことがあるとは思います。ですが、事前に小テストを行ったほうが、こういったいいヒント見出せるとは、小テストも一概にいやなものとしては言えなくなりますね。

小テストの効果

 授業者が小テストをする理由は、いくつかあると思います。
 授業を始める前に前回の学習の振り返りをする、それまでの学習がどれほど定着したか経過をみる、教師の反省材料とするなどなどあると思いますが、どちらかといえば評価者のために行うことが多かったかもしれません。
 しかし、小テストは“受け手のため”ともなると話が変わってきそうです。この効果も話した上で小テストを実施すると、児童・生徒たちの取り組み方も変わってくるかもしれませんね。
 今度授業で小テストを行う際に、話してみてはいかがでしょうか?もちろん、小テストといってもしっかり勉強していないと、なかなかいいヒント(記憶の手がかり)は思いつかないのかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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