きょういくじん会議
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田舎の商店街は、一大観光地! 水木しげるロード
kyoikujin
2010/11/8 掲載
妖怪のまち境港 公式ガイドブック

 NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒットや、文化功労者選出などで話題となり、今年の顔とも言える水木しげるさん。4日の産経新聞の記事によると、彼の描く妖怪のブロンズ像を目玉とした「水木しげるロード」を訪れた人が300万人を突破した、とのこと。人口およそ3万人の町に、300万人の観光客を集めた「水木しげるロード」、みなさんはご存知ですか。

 「水木しげるロード」は、鳥取県と島根県の県境弓ヶ浜半島の北端に位置する港町、境港市の境駅から続く全長800mの道。その両脇には、鬼太郎やねずみ男をはじめとした約130体の妖怪ブロンズ像や妖怪グッズショップが並んでいます。

 この「水木しげるロード」の整備は、今から約20年前、活気を失った商店街の活性化事業が始まりでした。ロードが完成した当初は、全国から観光客が殺到しましたが、ブームが去り、さらに市の財政難で協力が望めなくなったことで、活性化の機運は縮小。しかし、これに危機感を抱いた観光協会などがロードの充実をはかるべく、妖怪ブロンズ像や妖怪街灯の設置費を出すスポンサーを全国公募するなどの戦略を展開しました。

 この他にも、水木しげる記念館妖怪電車など、地域全体で多彩なプロジェクトを進めたことで、「水木しげるロード」は、商店街として蘇り、さらには、ひとつの観光地として多くの観光客を集めるようになったのです。

 新学習指導要領には、「自然環境、伝統や文化などの地域の資源を保護・活用している地域を学習する」とあります。「水木しげるロード」は、著名出身者やキャラクターといった地域の資源を活用した例といえるでしょう。皆さんのお住まいの地域にも、保護・活用されている資源があるはずです。地域の資源を見つけるには、町おこしやご当地グルメ、地域ブランドといった地域活性化の試みを調べてみる方法が、身近でわかりやすいかもしれません。

 地域のつながりの希薄化などが嘆かれる今日、地域の資源やそこに関わる人々の生活に触れることで、子どもたちに地域社会に対する誇りや愛着をもつきっかけを作ってあげたいものです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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