きょういくじん会議
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今年は特にご用心! ノロウイルス大流行の兆し
kyoikujin
2010/12/6 掲載
現代社会の脅威!!ノロウイルス―感染症・食中毒事件が証すノロウイルス伝播の実態

 師走に入り、寒さが増してきました。この季節は、風邪などの病気に気をつけなくちゃ…と思いつつも、ついつい冷たい水で手を洗うのを億劫に感じてしまいますよね。
 そんな中、今、流行が懸念されているのが、ノロウイルスによる急性胃腸炎です。今日までで、全国あちこちで、ノロウイルス流行の注意報が発令されていることを、皆様はご存知でしょうか。

◎ノロウイルスって?

 「ノロウイルス」という名前ができたのは、実は結構最近のこと。
 もともとこのウイルスは、68年にノーウォークという町の小学校での集団感染から発見されたため、「ノーウォークウイルス」や、似たような特性を持つウイルスを総称して「小型球形ウイルス」と呼ばれてきました。その後、研究によってこのウイルスの特性が明らかになり、02年に改めて「ノロウイルス」という呼称がつけられるようになりました。呼称ができたのが最近であるため、新しい病気だと誤解されることもあるようですが、ノロウイルスは昔からあちこちで猛威をふるっていたようです。

◎ノロウイルス感染の症状は?

 ノロウイルスに感染すると、胃腸炎を引き起こします。具体的な症状には、主に嘔吐や下痢、腹痛などがあり、人によっては37〜38度程度の発熱を起こすこともあるそうです。症状には個人差があるようですが、多くの場合、一日に数十回の嘔吐や下痢が続き、腹痛もかなりきついものになります(実は筆者も過去二回体験済み…)。
 健康な成人だと、比較的軽症で済むことが多いようですが、体力の少ない子供やお年寄りは重病化することもあり、特に注意が必要です。

◎予防方法は?

 ノロウイルスの感染経路には二通りがあります。
1、一次感染(食中毒:食品から人への感染)
 特に有名なのが、二枚貝からの感染です。よく生食用のカキが取り上げられますが、これ以外にもシジミやアサリ、ハマグリなどを、生や加熱不十分で食べたときに、感染が起こることがあります。また、食品加工に従事する人がノロウイルスに感染していると、そこから食品にウイルスが付着し、食中毒を起こしてしまうこともあるそうです。
2、二次感染(人から人への感染)
 ノロウイルスに感染した人の排泄物に触れたり、人の多い場所に残っているウイルスを吸い込んだりすることによって起こります。またこの他にも、2日の朝日新聞の記事によると、掃除機のごみの処理による感染も指摘されています。

 ノロウイルスの活性をなくすためには、実は石鹸やエタノールでの消毒は、あまり効果がありません。
 ですから、感染予防のためには、二枚貝への十分な加熱をはじめとする、食品の衛生管理に気を付けること。また、流水による手洗いをすること(ウイルスを洗い流すという意味。さらに石鹸を使えば、直接の効果はなくとも、手の皮脂を落とすことでウイルスを流しやすくなります。)が有効です。

 夏とは異なり、冬はウイルスが猛威をふるいやすい季節です。衛生管理の注意を怠らず、健康で新年が迎えられるようにしたいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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