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全国学力テストをどう生かす―学校改善支援プラン
kyoikujin
2007/10/26 掲載

 24日に公表された全国学力テストの結果は、かねてより指摘されていた活用力不足や教育格差を裏づけるもので、おおむね想定内の結果だったといえそうだ。今後の課題はこの結果をどのように生かしていくかということだが、文部科学省はどのようなことを想定しているのだろうか。

学校改善支援プランをもとに学校・教育委員会を支援

 64の都道府県・指定都市の教育委員会に検証改善委員会を設置し学校改善支援プランを策定する。学校改善支援プランとは、結果を分析し、生活習慣や学習環境から教科の指導方法まで、浮き彫りになった課題を解決するための計画だ。結果の分析は教員養成大学や民間の研究機関などと連携して科学的な視点も導入して行なうようだ。

 策定された支援プランをもとに検証改善委員会は、市町村の教育委員会や各学校の取り組みを支援することになる。

 学校改善支援プランの例として

  • 補習授業のための地域人材の体制整備
  • 指導方法等についての研究や研修の実施
  • 指導改善につながる教材開発

が挙げられている。

優れた学校改善支援プランには予算を重点配分

 ここまでで約1.4億円の予算が使われることになっているが、実は結果の検証と改善のための事業には約3億円の予算が計上されており、約1.6億円の予算が残っている。

 この残った予算はどこに使われるのかというと、各地域の検証改善委員会が策定した学校改善支援プランは、文部科学省によって設置された選定委員会で審査され、他の地域が参考にできるような優れた学校改善支援プランを選出し、選ばれた地域に配分されることになっている。賞金をつけて競争をさせることで、より良い改善計画が生まれることを期待しているというわけだ。

現場で実効性のある支援プランを

 学力テストについて、最も重要な結果の活用方法に関する研究はこれからが本番。学力テストの目的は国の教育施策の点検だけではなく、学校現場で、結果からあぶりだされた課題を克服するための指導を行なうことにある。現場の実情を踏まえ、実効性のある指導を支援するプランが生まれることを期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/10/30 17:55:47
    実際に試験を受けた、小学校卒業や入試間近の子どもたちの指導には活かせないでしょうね…。
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