子どもの視力悪化さらに進む―文部科学省調査
文部科学省は、11日、平成20年度学校保健統計調査速報を公表した。子どもの視力悪化はさらに進んでいる一方、虫歯や肥満は減少傾向にあり、食生活や生活習慣に注意する家庭が増えたことが推測される。
この調査は今年4月1日から6月30日の間に実施されたもの。満5歳から17歳を対象に、身長、体重などの発育状態は約70万人(4.7%)、視力などの健康状態は約330万人(22.6%)を抽出調査した。
視力はさらに悪化―園児でも約3割が1.0未満
平成20年度の「裸眼視力1.0未満の者」の割合は、前年度と比べすべての学校段階で上昇。中学生の約半分が裸眼視力1.0未満で、4〜5人に1人が0.3未満、園児の3割近くが裸眼視力1.0未満という状況となっている。10年前との比較でも、高等学校以外の全ての学校段階で視力が低下している。
平成10年度 | 平成20年度 | |
---|---|---|
幼稚園 | 25.8%(0.5%) | 28.9%(0.8%) |
小学校 | 26.3%(5.9%) | 29.9%(7.1%) |
中学校 | 50.3%(22.1%) | 52.6(22.4%) |
高等学校 | 62.5(33.8%) | 58.0(28.4%) |
※( )内数値は裸眼視力0.3未満の子どもの割合
むし歯(う歯)は減少、親の世代の約3分の2に
「むし歯」の者の割合(処置完了者を含む)は、毎年減少しており、今年度も各学校段階で前年度より低下している。 約9割に虫歯があった親の世代の昭和53年度と比較すると、約3分の2となっている。
昭和53年度 | 平成10年度 | 平成20年度 | |
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幼稚園 | 87.5% | 67.7% | 50.3% |
小学校 | 94.2% | 82.1% | 63.8% |
中学校 | 93.9% | 81.9% | 56.0% |
高等学校 | 95.1% | 88.2% | 65.5% |
肥満は改善傾向に
現在の計算式で算出するようになった平成18年度以降減少傾向にあり、特に高等学校では男女とも全学年で前年度より減少した。
肥満傾向児の出現率は、女子よりも男子の方が多く、男子の9歳から17歳で10%を超えている。女子は12歳が9.8%で最も高くなっていた。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
回復するものなんですね。