「単元を貫く言語活動」ここが知りたいQ&A
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水戸部先生に聞く!「単元を貫く言語活動」Q&A (1)
本単元で付けたい力を見極めよう!
文部科学省教科調査官水戸部 修治
2014/4/17 掲載

今年度から国語授業での「単元を貫く言語活動」に取り組むことになりました。これから本格的に授業がスタートしますが、まずはどのようなことから始めればいいでしょうか?

まずチャレンジしてみることが大切ですね。でもやみくもにチャレンジするのでは効果は上がりません。スタートの4月には、次の3つに取り組んでみてはいかがでしょうか。

  1. 「単元を貫く言語活動」の先行事例から、チャレンジしてみたいものをいくつか選ぶ。
  2. 年間指導を見通して、特に重点的にチャレンジしたい単元を決める。
  3. 最初にチャレンジする単元を組み立てる。

 「単元を貫く言語活動」の授業では、子供たちの「大好き!」「やってみたい」といった思いや願いが学びの原動力です。先生方も同じですね。まず「こんな授業をしてみたい!」という目標を決めてみましょう。その際、次のような書籍が参考になります。

『単元を貫く言語活動のすべてが分かる!小学校国語科授業&評価パーフェクトガイド』『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科学習指導案パーフェクトガイド 1・2年』『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科学習指導案パーフェクトガイド 3・4年』『「単元を貫く言語活動」を位置付けた小学校国語科学習指導案パーフェクトガイド 5・6年』『「単元を貫く言語活動」授業づくり徹底解説&実践事例24』

取り組んでみたい事例が見つかりました!
さっそく4月の単元でチャレンジしてみたいのですが、どんな点に気を付ければよいでしょうか?

さっそく目標が見つかりましたね。ここで大事なのは、その単元でどんな力を付けるのかをはっきりさせることです。その手がかりは2つあります。
 1つは、学習指導要領の指導事項です。その単元で、どの指導事項を取り上げて指導するのかをまず確かめましょう。
 2つめは、子供たちの実態です。例えば第3学年及び第4学年の「C読むこと」の指導事項には、「ウ 場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などについて、叙述を基に想像して読むこと」があります。文学教材ならば、「場面の移り変わり」や「登場人物の性格」「気持ちの変化」「情景」などが巧みに描かれていますが、これらをすべて取り上げようとすると盛りだくさんになりがちです。例えば子供たちが前単元までに、「登場人物の性格」や「情景」が読めてきたけれど、「場面の移り変わり」や「気持ちの変化」にはまだ十分には着目できていなかった、といった実態があれば、そこに重点を置いて指導目標を設定することとなります。

ここをチェック!授業改善のためのポイント

本単元で付けたい力を見極めるためのチェックポイントは、以下になります。

  1. 当該単元で取り上げる指導事項は明確か?
  2. 単元の指導目標には、その指導事項の内容がきちんと位置付いているか?
  3. 指導のねらいは、子供たちの実態を踏まえて把握しているか?

水戸部 修治みとべ しゅうじShuji Mitobe

 文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター総括研究官・教育課程調査官・学力調査官。小学校教諭、県教育庁指導主事、山形大学地域教育文化学部准教授等を経て、平成20年10月より現職。
 『単元を貫く言語活動のすべてが分かる!小学校国語科授業&評価パーフェクトガイド』『「単元を貫く言語活動」授業づくり徹底解説&実践事例24』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 1・2年』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 3・4年』『小学校国語科 言語活動パーフェクトガイド 5・6年』など、著書多数。

(構成:木山)

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