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今回のねらい
高学年のテキストに載っているチャンツが難しく、たとえスロースピードで再生しても全然ついていけない〜!と困ったことはないでしょうか?それまで音声中心で活動を行い、ある程度は英語のリズムや抑揚に慣れてきていても、それを塊で捉えて発声することは決して容易ではありません。高学年の子どもたちにとっては、音を聴き、ただ唱えて覚えるやり方より、チャンツの内容を知り、意味をわかって言えるようになるほうが、ずっと納得して取り組むことができるようです。
今回は、視覚情報を使ったチャンツの指導法を紹介します。絵カードやワークシートを活用し、チャンツで使われている英語表現の意味を日本語で確認しながら進めます。
音を可視化する教具を、わかりやすく提示するコツもご紹介します。どのチャンツにも応用可能ですので、皆さんもアレンジして使ってみて下さいね。
「わかると安心!」チャンツの内容を可視化する教具
- 概要
- チャンツの表現を聞いたり言ったりすることができる(知識及び技能)
音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味がわかるようにする(領域別目標:読むこと)
チャンツを攻略するための自分の得意な取り組み方を選択できる(学びに向かう力、人間性等) - 目的
- 難しいことにも、様々な感覚を用いて取り組み、自分の得意なやり方で攻略できる子になる
- 対象
- 小学校高学年〜
- 準備
- チャンツの内容を示す絵カード・内容把握のためのワークシート(・ワークシートを挟むクリアファイルとイレイサー付きホワイトボードマーカー)
学習の流れ
- 黒板に、チャンツの内容を把握するためのポイントとなる絵カードを、チャンツの流れ(出てくる順番)に合わせて貼る
- チャンツ音源を流し、該当箇所で絵カードを指し示す(図1)
- チャンツの文表現は多くの場合ひな形(文章のパターン)に沿う形で流れてくることを、絵カードを用いて視覚的に理解させる
- 何枚かの絵カードを外して、その部分に入る単語を考えさせる。そうすることで、その部分が際立ち、理解が進む
- ワークシートに取り組む
- 黒板上の絵カードのイメージがそのまま、紙面に文章(と絵)で書かれているので、内容把握のためのポイントの語に印をつけるなどして意識させ(図2)、空欄に意味を書き、答え合わせをして確認する(図3)
- 子どもの状態に合わせて、黒板の絵カードやワークシートの英文を見ながら、アカペラで歌ってみる
- 練習するうちに、徐々に速い音源にも対応できるようになり、自分だけでも歌えるようになっていく
指導のポイント
- 視覚的に内容を伝える絵カードの作成時には、印刷の向きにも工夫をするとよいです。ここでは、動作の表現は縦向きのカードに、状態や気持ちを表す語は横向きのカードにすることで気づきを促し、変化をつけて見やすくしました。
- 英語表現を書く(なぞる)場面では、ワークシートはクリアファイルに挟み、その上からホワイトボードマーカーで書かせるようにします。クラス内、子どもたちの書字の技能がバラバラなので、まだ上手く書けない子も安心して参加できるための工夫です。
- チャンツの構造が理解できれば、それをひな形にし、単語を変えてオリジナルのチャンツを作ったり、個人で発表する際のセリフを考えたりすることにも利用できます。
チャンツのスクリプト
This is my hero. He is Kosei. He is my friend. He is 12. He can play basketball. He can run fast. He is cool and nice to everyone.
This is my hero. She is Kayo. She is my sister. She is 15. She can play the flute. She can swim well. She is so funny and kind to me.
図1
図2
図3
*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。
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