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今回のねらい
前回は「日本語と英語の音節リズムの違いによって聞こえ方がどう異なるか」を捉え、子どもたちの音節への「気づき」を促しました。語の中の音節リズムを捉え、リズムを意識することで、英単語が聞き取りやすく、リピートの難しさも軽減します。語をリズムよく発音できるようになると、自信がつき、英語を使ってのさまざまな活動もより楽しく取り組むことができます。今回は、英語学習に登場する基本的な単語を音節の単位に分解していきましょう。楽しみながら、自然に英語の音節リズムが身につくアクティビティをご紹介します。
活動に入る前に、語を音節単位に分解する際に使いやすい「音節リズム動作」をご紹介しましょう。語の中のリズムは音の1拍に当たりますから、手拍子(×)を叩いてみるとわかりやすく捉えることができます。例えば日本語の「りんご」なら「り(×)」「ん(×)」「ご(×)」のように3回手を叩くことができます。これは「りんご」という語に3つの音節リズム(モーラ音節)があることを示します。英語のstrawberryは 「straw(×)」「ber(×)」「ry(×)」の3つの音節リズムを持っていますね(第16回参照)。
手拍子を使う方法でも構いませんが、人数の多いクラスですと、全員がしっかり音節分解できているかどうか指導者が把握しにくいです。また子どもたちも自分の分け方が合っているかどうか確認しにくく、不安に感じるかもしれません。その場合は語を分解しながら1つ目、2つ目…と動作を変えてみるといいでしょう。下に「音節リズム動作」を例としてご紹介します。英単語を音節単位に分解しながら、音節に合わせて頭→肩→腰→太ももの順にリズムよくタッチしていきます。着席した状態でもよいでしょう。
さあ、それでは音節分解ゲームを楽しみながら、英単語をリズムよく発音してみましょう。
音節リズム動作
英単語リズム取り出しゲーム
- 概要
- クラスを2チームに分ける。ターゲットの音節数(1〜4)を決める。チームは代わる代わる、メンバー1人が袋に入っている英語学習初期の基本的な単語(1音節〜4音節まで)の絵カードを取り出し、音節単位に分解していく。ターゲットの音節数を持つ絵カードを先に取り出したチームが得点する
- 目的
- 音節分解操作に慣れ、英単語をリズムよく発音できるようにする
- 対象
- 小学校3年生〜
- 準備
- 1音節〜4音節までの単語の絵カード(各音節数につき2種類程度)、絵カードを入れる袋
使用単語例
1音節語 | 単語 | corn | grapes | peach |
音節分解 | corn | grapes | peach | |
2音節語 | 単語 | lemon | carrot | orange |
音節分解 | lem-on | car-rot | or-ange | |
3音節語 | 単語 | strawberry | cucumber | broccoli |
音節分解 | straw-ber-ry | cu-cum-ber | broc-co-li | |
4音節語 | 単語 | watermelon | cauliflower | avocado |
音節分解 | wa-ter-mel-on | cau-li-flow-er | av-o-ca-do |
学習の流れ
1.袋に入れる絵カードの語を子どもたちに見せ、
T:(例:レモンの絵カードを指さして)「What is this?…lemon,lemon.
いくつの音のかたまりに分けられるかな?」
と、音節リズム動作を促す。全員で動作をしながら、
「lem-on, lem-on…two!」(2つの音節)
残りのすべてのカードについても同様にして全員で音節数を確認しておく
2.→クラスを2チームに分ける(少人数の場合は個人戦にしてもよい)
3.→ターゲットにする音節数を指定する(例:2)
※袋の中にある2音節語はlemonとcarrotであるとする
T:「ターゲット数はtwo!何を取り出したらいいかな?」
S:「lemon!carrot!」
4.→チームは1回ずつ交互に、メンバー1人が袋の中を見ずに入っている絵カード
を1枚取り出す。絵カードの語を全員で音節単位に分解していく。ターゲットの
音節数を持つ絵カードを先に取り出したチームが得点する
指導のポイント
●この活動を初めて行うタイミングは、子どもが語の中の音節リズムに気づきはじ
めた頃です。はじめはゆっくり行い、全員が自信を持って音節分解できるように
なるまで何度か行うとよいと思います。
●自分のチームがカードを取り出す時は、ターゲットの音節数の単語をリズムよく
発音しながら応援すると、ゲームを楽しみながら自然に練習の機会を多く持つこ
とができます。
例:ターゲットの音節数が2の場合、
「lem-on!car-rot!lem-on!car-rot!…」
●子どもたちが慣れてきたら未習語も入れていき、語を聞かせて子どもたち自らが
音節分解に挑戦する機会を作るとよいでしょう。
*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。
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