英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具(15)
多感覚を使ったアルファベット練習
2019/8/5 掲載
- 英語教育UD 教材・教具
- 特別支援教育
今回のねらい
アルファベットを読み書きすることは、英語学習の基本ですが、それがなかなか上手くいかない子どもも少なくありません。小文字のbとd、pとqのような鏡文字を書いていたり、hとnのような似た形の文字を間違うケースが見られます。このように、混同しやすい小文字については、特に時間をかけて丁寧に指導する必要があります。アルファベットでつまずくと、英語に苦手意識を持ち、学習が進まなくなってしまうからです。
今回は、「多感覚を使ったアルファベット練習」について紹介します。アルファベットのマグネット、工作用モール、粘土などの教具を活用し、立体的なアルファベットに直接触れることにより、形の特徴に気づき、思い出して書く助けにすることがねらいです。このように目や手など多感覚を使った学びは、学習に困難を抱える子どもにとって効果的です。また、タブレットで簡単なアプリを使ったアルファベット学習もいいでしょう。アプリを使えば、アルファベットの音も同時に聞くことができます。
様々な教具を活用し、聴覚、視覚、触覚を使って、楽しくアルファベットの読み書きを練習しましょう。
支援グッズ「工作用モール」「アプリ」など
- 概要
- 粘土や工作用モール、タブレットアプリ、マグネットなどのツールを活用し、聴覚、視覚、触覚を使って、楽しくアルファベットの読み書きを習得する
- 目的
- 混同しがちな小文字のアルファベット(bとd、tとf、hとnなど)を区別して覚える。アルファベットの読み書きを定着させる
- 対象
- 小学生、中学生
準備:
1.粘土、工作用モールなど
2.ホワイトボード、マーカー、アルファベットマグネット
3.タブレット、アプリ
学習の流れ
- 粘土や工作用モールでアルファベットを自分で作ってみる。実際に作ることや、出来上がった立体的なアルファベットを手で触ることにより、アルファベットの形、特徴を自覚し、記憶に残りやすい
- ホワイトボードにマーカーでアルファベットを書いてみる。紙と違って、きれいに消しやすいので、間違いを気にせず何度でも練習できる。アルファベットマグネットが付けられるタイプのボード、4線が書いてあるボード、低学年や書くことが苦手な子どもには2線が書いてあるボードなどがおすすめ
- アルファベットを練習するための様々なアプリが入手可能になってきている。書き順まで指導してくれるもの、タップすると音が出るもの(“a”を押すとアルファベット名「エイ」と発音するものや、アルファベット音「ア」と発音するものもある)など多種多様
指導のポイント
- 指導者も一緒に、楽しく学習すること。アルファベット(特に小文字)を混同せず区別して読み書きできるようになるまで、時間がかかる子どもも少なくない。根気よく、繰り返し練習すること
- モールやホワイトボードマーカー、マグネットなど、教具にはカラフルなものを使うといい
- ものを作るのが好きな子どもは粘土やモール、タブレットに興味のある子どもにはアプリ、というように子どもの興味ある教材、教具を活用すること
- 紙に鉛筆やペンで「書く」よりも、タブレット上で直接自分の指でなぞると、アルファベットの特徴に気づきやすく、間違えても跡を残さずサッと消せることから、アプリ学習を好む子どもが多い。音も聞くことができ、自律学習にも向いている
*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。
(構成:佐藤)
好評シリーズ
-
読めた!書けた!1年生の<教科書の漢字>学び支援!
-
「わくわく」「うきうき」が「できた!」につながるプリント集
-
どの子もできた!につながる教材のユニバーサルデザイン!
コメントの受付は終了しました。